インターネットトラフィックを監視するNetcraftは、Lycos Europeの「Make love not spam」キャンペーンによって、複数のスパムサイトがアクセス不能になったことを確認した。
Netcraftによると、アクセス不能になったのは中国で運用されている2つのウェブサイト。今週の日付でNetcraftのウェブサイトに掲示された情報によると、アクセス不能になったのはbokwhdok.comとprintmediaprofits.bizの2つのサイトだという。
Netcraftのウェブサイトには、「Lycos EuropeのMakeLoveNotSpam.comスクリーンセーバーのユーザーが仕掛けたDDoS(分散サービス拒否)攻撃によって、複数のスパムサイトが機能停止に追い込まれた。しかし、ターゲットとされたサイトのなかには、まだ稼働しているものもある」と記載されている。
Lycos Europeからこの件に関するコメントは得られなかったが、同社は現地時間11月30日にこのスクリーンセーバーについて、DDoS攻撃は行っておらず、スパムサイトが利用可能な帯域幅を引き下げているだけだと述べている。さらにLycos Europeは同日、ウェブサイトをダウンさせる意図はないことも付け加えている。
LycosのコミュニケーションサービスディレクターMalte Pollmannは30日、「はっきりさせておかねばならないのは、これがDoS攻撃ではないということだ。われわれは、スパムサイトの使用可能な帯域幅を正常時の5%まで低下させる。(DDoS攻撃の実行は)われわれの関心事ではない。われわれの関心はスパム配信のコストを高めることにある」と述べた。
「Make love not spam」キャンペーンのスクリーンセーバーが配布されていたサイトは、12月1日に閉鎖されたようだ。サイトには「Stay tuned.(今後にご期待ください)」というメッセージだけが残されている。
Lycos Europeは30日、「Make love not spam」ウェブサイトがハッカーに改ざんされたという噂を否定した。しかし、この日はサイトにアクセスできない状況が続いたとNetcraftなどは指摘する。
Lycos Europeは、今週初めにこのスパム対策キャンペーンを開始し、ユーザーにスクリーンセーバーを提供してきた。このスクリーンセーバーは、コンピュータのアイドル時の処理能力を利用して、スパムサイトにリクエストを自動送信し、サイトの応答時間を遅延させるように作られている。
Lycos Europeはスパムサイトの帯域幅を消費する際に、無実のユーザーの帯域幅にも影響を及ぼしてしまうおそれがあると、国際スパム対策組織SpamHaus ProjectのディレクターSteve Linfordは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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