Microsoftは今年の12月に、大企業におけるインスタントメッセージ(IM)のやりとりやその他の通信を安全にすることを目的としたソフトウェアを発売する計画だ。
Microsoftが米国時間26日に述べたところによると、同社が発売を予定している「Live Communications Server(LCS)2005」では、企業内のIM通信を暗号化することが可能になるほか、企業がサプライヤーやその他のパートナー企業と安全にIMをやりとりできるよう、企業同士のIMシステムをリンクすることも可能になるという。
LCSのスタンダードエディションは、サーバ1台あたり750ドルで販売される予定だ。また、セキュリティをさらに強化できるオプション機能を持ち、クラスタ化された複数のサーバ上で稼働できるエンタープライズエディションは、サーバ1台あたり3000ドルになる。ただし両エディションとも、ボリュームディスカウント価格が提供される予定だ。
さらにLCSでは、公共ネットワークを利用するMicrosoft、America Online(AOL)、Yahooの3大IMサービスと相互接続できるオプションも提供される。これによりLCSを導入した企業の従業員は、これらのIMサービスを利用するユーザーともチャットができるようになる。
しかし、このオプションは別途料金が必要で、来年第1四半期以降に提供が開始されるという。
Office製品ラインを単なる生産性アプリケーションを集めただけのスイートから拡大させようとするMicrosoftの取り組みにおいて、LCSは重要な位置づけの製品だ。MicrosoftはLCSをOffice製品群に統合することで、電子メールソフトウェアの「Outlook」をはじめとした各種アプリケーションに、「プレゼンス」機能--スタッフが配置されているロケーションや離席状況に応じて通信をインテリジェントにルーティングする機能--を持たせようとしている。
プレゼンス機能では、ユーザーのアプリケーション内にある、個人の所在に関する情報を利用する。たとえば、Outlookのカレンダーに、あるユーザーが会議中という情報があった場合、電話をそのユーザーの携帯電話に転送したり、誰かがそのユーザーにIMを送信した場合、ソフトウェアが起動したインターネット電話機能を利用してボイスメッセージを残してもらったりすることが可能になる。
LCSは、プレゼンスが機能するために必要な、異なるシステム間でのデータのやりとりに用いる、「secure cloud(安全な雲)」とアナリストらが呼ぶものを実現する第一歩となるかもしれない。
Microsoftによると、最新のLCSではこの他にも、VPN(仮想プライベートネットワーク)接続ではなく標準のファイアウォールポートを用いてIMシステムやプレゼンス機能に外部からアクセスすることを可能にするセキュリティ機能も強化される予定という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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