東京ビッグサイトで開催中のWPC EXPO 2004では、NECと東芝がノートPC用燃料電池の試作機を展示している。東芝は2005年にも製品化し、サンプル出荷する計画だ。
NECが展示しているのは、燃料電池ユニット一体型の試作機。燃料カートリッジ1本(250cc)で約10時間の動作が可能という。自律制御システムを使い、PCの起動/終了時や負荷状況、燃料の液量/濃度などに応じて燃料電池を制御することが可能。通常は濃度30%程度の燃料を利用しているが、
同社では2005年内の燃料電池内蔵ノートPCの商品化を目指していたが、市場が大きく見込めないことから、現時点の商品化時期は未定という。価格については「ハイエンド機程度になるだろう」(説明員)としており、30万〜40万円程度とみられる。
東芝は燃料電池ユニットを外付けした試作品を展示している。同社は100%濃度のエタノールを利用し、化学反応時に得られた水を利用してユニット内でエタノールを希釈するアクティブ型を採用している。今回の試作機はカートリッジ1本50mlで、5時間の駆動が可能という。
東芝の試作機。手前が燃料カートリッジ |
寸法は幅27cm、奥行き7cm、高さ5.5cmで、重さは1.2kg。電圧は15V、エネルギー密度は65Wh/lという。
東芝は2005年中に製品化を行い、一部の顧客に向けてサンプル出荷する計画だ。東芝と取引のある顧客や、研究機関などが対象となる見込み。また、カートリッジの販売に関する規制緩和を狙い、経済産業省などの関係省庁にも利用してもらいたいとしている。
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