サンフランシスコ発--当地で開催中の「Web 2.0」カンファレンスのオープニングパーティが5日(米国時間)に催され、起業家でTV番組の司会も務めるMark Cubanが「革命から10年経ったインターネットの世界で、次に何が来るか」について話すため舞台に上がった。
Cubanが登壇する前から、一部の人たちは、たいして期待していないようなそぶりを見せていた。「3年間お互いに顔を合わせていなかった人たちが、今同じ部屋に戻ってきたようなもの」とChris Nolanは厳しい一言を浴びせる。NolanはSan Jose Mercury Newsの元ゴシップ欄担当記者で、今はChrisNolan.comという政治サイトを運営している。
CubanがIT界のスターであることは明らかだ。Amazon.comの創業者Jeff Bezosや伝説のベンチャーキャピタリストJohn Doerrなどの正真正銘の大物だけではなく、Joe KrauseやBrewster Kahle、Marc Andreessenなど「最近何かしたっけ?」と尋ねたくなるような古い顔ぶれが居並ぶ中で、Cubanが同カンファレンスで最も注目に値する人物の一人であることは恐らく間違いない。
しかし、ABCのTV番組「The Benefactor」や彼自身のブログで展開されたCubanの並外れた人格は、ドットコム全盛期のわざとらしさを思い出させるもので気分が悪いというのが人々の反応のようだ。新しいウェブのお披露目パーティだといわれて同晩餐会に出席したインターネット企業の幹部やベンチャーキャピタリストたちは、お古株の出すぎをむしろ忘れたいと考えているようだった。
聴衆はCubanの話したことのすべてを受け入れてはいないようだった。CubanのBlogについても、聴衆のひとりからは大袈裟な調子で「へー、彼がBlogを書いてるんだ!」とやじられた。
Cubanはこれに笑って反応し、Dallas Mavericksのオーナーとしてスポーツ界にデビューしたときの忘れ難い経験について言及した。「カンファレンスでやじられたことは今までなかった」とCubanは言った。
バイスプレジデントの討論会も行われ、会場のNikko Hotelでは時間の大半が政治の話題に費やされ、IT幹部とベンチャーキャピタリストの間で、インターネット経済が新たに自信を取り戻していることや、大統領選挙についての見方が論じられた。
Kleiner Perkins Caufield & ByersのパートナーでGoogleの取締役会メンバーでもあるDoerrは、クリーンエネルギーと幹細胞研究への支持を押し出した。
Cubanは、Induce Act(誘発法)に対する反対意見を述べ、議会(または電子フロンティア財団の職員が座っていたテーブル)を動揺させた。Induce Actは、自分たちの技術を使って実行された著作権侵害に対する責任を、ソフトウェア開発者に負わせるための法案だ。
「Induce Actが通過すると、このカンファレンスの出席者の生計が危なくなる」というCubanの言葉に、拍手が一斉に沸き起こった。
Cubanは同カンファレンスで最もホットな話題のひとつであるウェブ検索の話題についても取り上げた。Cubanは、インターネット検索が話題となり株価が急騰するまでほとんど知られていなかった「メタ」検索エンジンのMamma.comに投資しているが、その投資について、「PIPE(private investment in public equity)取引」が始まったから手を引かねばならなかったと語った。
最近の投資先であるIcerocketについては、「私の単なるおもちゃ」だと言う。自分のTV番組でするのと同じようにCubanは、単純にその人物が好きだとか、検索はユビキタスだからという理由で、若い創業者たちにお金を賭ける。
Google対Yahooについては、Cubanは両社とも好きだと言い、両社の競争について「見ごたえがある」として称賛した。
それは、Cubanにも当てはまるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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