不要な電子メールを選り分けるオープンソースソフトウェア「SpamAssassin」のバージョン 3.0が米国時間22日にリリースされた。この新バージョンでは、技術面もさることながら、法的な面でも変更が加えられている。
同ソフトウェアの開発プロジェクトを率いるプログラマーらは、Apache Software Foundationの傘下に入り、同グループの法的/技術的なリソースを利用する道を選んだが、このためにSpamAssassinはApache Licenseを採用する必要があった。
これまで同ソフトウェアは、Linuxや他の多くのオープンソースプログラムが採用するGPL(General Public License)もしくはPerl Artistic Licenseの下で利用可能となっていた。
オープンソース支持派は、大勢の人間が実際にプロジェクトに貢献できるという自分たちのプログラミング哲学を大いに売り込んでいる。しかし、SpamAssassinによるライセンスの変更は、このような幅広い協力体制の難しさも浮き彫りにした。プロジェクトリーダーらは、SpamAssassinに貢献したすべてのプログラマから許可を取り付けなければならなかった。
「かなり骨の折れる作業で、やり遂げるのに4カ月もかかった。コードを再ライセンスするにあたり、明確な許可が必要だったため、我々はおよそ100人のコード提供者と連絡をとらならければならなかった。また、連絡がつかない場合は、彼らのコードを削除し、再度新たなコードを実装する必要があった」と、プロジェクトを率いるプログラマの1人、Dan Quinlanは電子メールに記している。
だが、同氏は大変なこの作業もやった甲斐があったという。これまで続いていた二重ライセンスの状態は、提供されたコードをを管理するうえで混乱を招くものだったが、「Apache Licenseには素晴らしい、とても合理的な特長がある。たとえば、誰かがそれ自体の特許によって問題となっているコードを提供する場合、そのことであとから我々を訴えることはできない」と、Quinlanは述べた。
調査会社NetCraftによれば、Apacheはウェブサイトのホスティングに最も幅広く利用されているソフトウェアで、そのシェアは68%にのぼるという。しかし、Apache Software Foundationの活動はさらに幅広く、XMLメッセージを処理するソフトウェアやJavaプログラムを実行するソフトウェアを含む、さまざまなプロジェクトを管理している。
SpamAssassinソースコードの著作権は、Apache Software Foundationの所有物になると、Quinlanは述べた。
SpamAssassinのバージョン3.0では、技術面の変更も加えられている。1つの重要な機能は、潜在的なスパムを特定するために電子メールの発信元を正確に追跡するメカニズムである、SPF(Sender Policy Framework)をサポートしていることだ。
Apacheでは、SFPならびにMicrosoftのCaller ID for E-mailの2つを取り込んだSender IDと呼ばれるさらに広範な提案を拒否した。同グループはMicrosoftのライセンス条件に異議を唱えている。
なお、SpamAssassinはMcAfeeのSpamKillerソフトウェアに採用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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