Debian Linuxディストリビューションを統括する開発者らは米国時間4日、Sender IDを実装しないと発表した。Microsoftによる同スパム対策標準へのライセンス強要がその理由だという。この発表のわずか数日前には、Apache FoundationがSender IDの実装を拒否していた。
Debianプロジェクトは声明の中で、Microsoftのライセンス条項はDebianフリーソフトウェアガイドラインとは相容れないとしている。同プロジェクトは今後、Sender IDを実装せず、これを実装するほかのソフトウェアでも同標準はサポートしない。
Sender IDは、スパム電子メール送信者が発信アドレスを改ざんするドメインスプーフィング対策として、各電子メールが記述通りのドメインから発信されたものであることを検証するために開発された。
Sender IDは企業がジャンクメールを特定し、選別するのに役立つと期待されている。ドメインスプーフィングは、スパムメールにアドレスを利用され、ドメインがスパム対策組織のブラックリストに載ってしまった正当な送信者にも問題を引き起こしている。
MicrosoftはロイヤルティフリーでSender IDをリリースしており、同標準の利用を希望する組織はライセンス契約に署名しなくてはならない。Microsoftは自社ウェブサイトのFAQに、Sender IDの実装をオープンソースでライセンスすることも可能だが、その場合はソースコードにMicrosoftの知的財産が含まれる可能性がある旨を記載することを条件とする、と記載している。
Microsoftのウェブサイトには、「オープンソースソフトウェアのライセンスはすべて異なるのかもしれないが、われわれは、MicrosoftのRoyalty Free Sender ID Patent Licenseの2.2項の帰属規定を含めさえすれば、ほとんどのオープンソースソフトウェアライセンスでは自分のインプリメンテーションを配布できるものと考える」とある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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