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Internet2--現状と今後の展望 - (page 2)

Marguerite Reardon(CNET News.com)2004年09月06日 10時00分
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 大手企業ではすでに高帯域幅の回線を利用しているかもしれない。だが、Internet2にバックボーンインフラを提供しているQwest Communicationsなどの通信事業者によると、高帯域幅回線に対する需要はさほど高くないという。Qwestは、Internet2との共同研究に基づくサービス製品の開発にやっと乗り出たところだ。

 Qwest広報担当のAmy Dietrichは「ロードマップはまだ初期段階にある」とした上で、「これまで教育分野でAbileneネットワークを利用してきたユーザーからは(高帯域幅接続に対する)高い需要があったが、商業部門からの需要はさほど高くない」と述べている。

 通信事業者は、Internet2のようなネットワーク上でのサービス販売で利益を上げる方法を模索する必要がある、とCorbatoは指摘する。同氏によると、Internet2向け(サービス)のビジネスモデルと通常のインターネット向けのビジネスモデルとは全く異なるという。

 ビットごとに課金する民間の通信事業者とは異なり、Internet2の加入者やメンバー企業・団体は定額の年間使用料さえ払えば帯域幅は使い放題だ。年間利用料は会員がおよそ2万7000ドルで、提携組織が1万2000ドルだ。Corbatoによると、民間の通信事業者は顧客が利用する帯域幅を制限しようとするのに対し、Internet2はネットワークの大規模かつ広範な利用を奨励しているという。

 「われわれがなるべく多くの実験を推進できるよう、各大学にネットワークを最大限利用してもらうことが、Internet2にとって重要だ」とCorbatoは語る。

 しかし、学生時代にInternet2上で動作するアプリケーションを利用していた学生が続々と社会で活躍し出せば、今後、企業内でのこれらのアプリケーションに対する需要も高まると見られる。電子メールも同様の過程を経て普及した。電子メールは当初大学のキャンパス内でのみ利用されていた。1990年代初期には、異なる電子メールネットワーク間の通信は不可能だった。しかし、やがてこの技術(の利用)が開放され、他のメールネットワークとの通信も可能になり、世界中どこへでもメールを送信できるようになった。そして、電子メールはいま、現代の職場に必要不可欠な要素となっている。

次の段階

 研究者らは今も、Internet2をさらに効率化、高速化する方法を模索している。Internet2は2000年から、Internet2ネットワークのバックボーン構築を競うコンテストを主催している。そのコンテストでは、複数の研究チームが最速のIPルーティング構成の構築を競う。

 また研究者らは、Internet2ネットワーク上で行なわれる共同研究をよりシームレスかつ安全にするための新しいミドルウェア技術の開発に取り組んでいる。ミドルウェアとは、ネットワークとアプリケーションとを結びつける糊のような役割を果たすソフトウェアだ。このソフトが識別、認証、認定、ディレクトリ、セキュリティなどのサービスを提供する。

 今日のインターネットでは、各アプリケーションは通常、これらのサービスをそれぞれ独自に提供しなければならず、そのことが、互いに競合し互換性のない標準を生み出す原因となっている。ミドルウェアは、高度なネットワークアプリケーションの標準化を促進し、相互運用性を高めることにより、それらのアプリケーションをいまよりはるかに使いやすいものにする。

 Internet2 Middleware Initiative(I2-MI)はInternet2を使用する各大学におけるコアミドルウェアサービスの利用促進に取り組んでいる。Shibbolethもこれらのイニシアチブの1つだ。Shibbolethではサインオン技術をはじめ、ネットワーク上におけるユーザー認証技術の開発に取り組んでいる。現在、同ソフトウェアのバージョン1.2が利用可能となっている。

 「ユーザーがアプリケーションを別のネットワークに移植しようすると、多くの問題が発生する」とマサチューセッツ工科大学(MIT)のアカデミックコンピューティング担当ディレクター、Vijay Kumarは指摘する。「発生するのはユーザー識別の問題などだ。これらの問題については、すでに多くの初期研究が行なわれてきたが、今や中心的な研究対象とする必要がある」(Kumar)

 

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