三菱総合研究所は8月18日、全国の都道府県を対象とした「行政情報システムに関するアンケート調査」の結果を発表した。それによると、現在86.8%の団体が汎用コンピュータを使用しており、1年間で平均約5億円(行政情報化全体コストの約3分の1)のコストをかけているという。また、オープン系システムへの業務システムの移行を実施した団体のうち、78.8%でコスト削減効果があった。
石川県、群馬県など5団体ではすでに汎用コンピュータを使用しておらず、オープン系システムで業務を処理している。今後はオープン系システムへの移行が進むとみられ、現時点で汎用コンピュータを使っている団体の4割が5年後に使用中止または一部中止する予定。「汎用コンピュータのリプレースの期間がおおむね5年程度となっており、次回のリプレース予定時期までにオープン系システムへの完全移行を行うか否かが、分かれ目になっている」(同社)
オープン系システム移行に関する認識としては、「全面的に移行するべき」(51.4%)や「分野に応じて移行するべき」(48.6%)など肯定的な回答が多く、「基本的に“オープン系システムに移行すべき”との認識が広がっている」(同社)。
オープン系システムに移行することのメリットとデメリットを質問したところ、以下に示す回答が得られた。
【メリット】
・調達先の選択自由度の拡大:63.2%
・専用端末が不要(1人1台のPCにより対応可能):55.3%
・トータルコストの削減:50.0%
【デメリット】
・安定性、信頼性が不安:65.8%
・オープン系システム移行のための初期投資の財源確保が困難:39.5%
・分野/内容によっては汎用コンピュータの方が適している:39.5%
また、オープン系システム移行に対する阻害要因として、「国などから提供される汎用コンピュータ用のアプリケーションを利用する必要がある」、「既存システムからのデータ移行が困難である」といった指摘もあった。
調査は、全国の都道府県47団体を対象に電子メールでアンケートを実施し、38団体から回答を得た。
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