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松下電器の安定した強みに市場関係者も注目

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 先週の7月いっぱいで主力電機企業の2005年3月期第1四半期の決算が出そろった。そのなかでも、市場関係者から「安定した収益力の高さ」を認められ、改めて注目を集めたのが松下電器産業だ。松下の今後の収益動向と株価の行方を探った。

 松下電器産業が7月29日に発表した2005年3月期第1四半期(4〜6月期)連結業績(米国会計基準)は、売上高が2兆1020億円(前年同期比19%増)、税引前利益が804億円(同3.2倍)、純利益が328億円(同12倍)となった。主力のAVCネットワーク部門では、アテネ五輪関連の特需やデジタル家電市場の拡大などを背景に、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)テレビやDVDレコーダー、液晶テレビといったデジタルAV機器の販売が好調で、携帯電話端末の不振を補って連結営業利益は172億円となった。洗濯機やエアコン、自動食器洗い乾燥機、換気扇などの白物家電の営業利益は171億円、半導体を中心とした電子デバイスの営業利益も157億円。デジタルAV製品が好調だった日本ビクターからは営業利益で27億円となった。さらに、連結子会社化した松下電工とパナホームについては売上高3505億円が加わり、営業利益も57億円を計上した。なお、純利益が大きく膨らんでいるのは、営業外収益として厚生年金の代行返上益275億円を計上したためだ。

 こうした好業績を受けて、松下電器産業は9月中間期の連結業績予想を上方修正した。売上高は従来の4兆1700億円から4兆2600億円(前年同期比17%増)に、税引前利益が980億円から1250億円(同2.2倍)に、純利益も280億円から450億円(同94%増)にそれぞれ増額した。しかし、2005年3月期通期の業績予想は変更していない。

 同社の安定した業績拡大を支えているのは、全体の売上高の43%近くを占めるデジタル家電製品を中心としたAVCネットワーク部門の順調な拡大だ。同社のなかで薄型テレビの中心商品となっているPDPテレビの売上高は、連結ベースで2003年度が前年度比68%増の1400億円、2004年度は同43%増の2000億円を計画している。単独ベースでは、2003年度が同57%増の1267億円、2004年度が同34%増の1700億円を計画している。さらに、液晶テレビでは、連結ベースで2003年度が前期比4.4倍の700億円の実績、2004年度が同1.9倍の1350億円を計画している。また、今後の急成長が期待されるDVDレコーダーの連結売上高は2003年度が前期比2.2倍の770億円の実績、2004年度が2.6倍の2000億円を計画している。つまり、PDPテレビ、液晶テレビ、DVDレコーダーの3製品だけで、今期に5350億円と5000億円を上回る売上高を上げることになる。

 準大手証券のアナリストは「会社側は、“現時点で米国、中国の景気動向や為替水準が不透明要因として残っている”として通期の業績を据え置いた。しかし、下期によほどのリスク要因が発生しない限り、上方修正となる可能性が濃厚だ。会社側の今期の連結1株利益は25.7円に止まっているが、少なくとも30円に程度に上方修正されると、現在の1500円割れ(8月2日の終値1497円)という株価水準は買いの好機といえる。少なくとも早い時期に1600円台での活躍が十分期待できそうだ」としている。

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