米国時間の26日午前、MyDoomワーム亜種の感染拡大で、Googleには多くのユーザーがアクセスできなくなり、またYahooも検索結果の表示速度が低下するなど、大手のインターネット検索サイトが打撃を受けた。
この攻撃は、YahooのAltaVistaやLycosなどにも影響を与えた。
Googleの関係者は、同社の検索エンジンのパフォーマンスがMyDoomワームの影響を受けたことを正式に認めた。CNET News.comには、Googleの検索エンジンが数時間ダウンしているとの苦情が電子メールで多数寄せられたが、同社はこのワームの影響は深刻なものではないとし、大規模な感染は見られなかったと語った。
「Googleウェブサイトがほとんど機能しなくなったということは一切なく、ユーザーや(広告配信)ネットワークへのサービス提供はすぐに復旧する見込みだ」(同社声明)
一方、Lycosの関係者は、同社が問題を認識しており、パフォーマンスの障害となるものの排除に努めていると語った。またYahooの広報担当者は、予備処置があるのでYahooへの影響は限定的だとしたが、同じくYahooの所有ながら異なる技術に依存する検索エンジンのAltaVistaでは多くの問題が発生していることを認めた。
McAfee Avertのウイルス研究者、Craig Schmugarは、「偶発的なDDoS(分散サービス拒否)攻撃のようなものだ」と述べ、各検索サイトはメールアドレスを探す大量の検索要求を受けて、ほとんど使えなくなっていると指摘。従来のMyDoom亜種は感染したコンピュータのハードディスク内でだけメールアドレスを検索していたが、最新バージョンでは検索エンジンに問い合わせを行うようになっている。
「このワームに感染したマシンは、数千件もの検索リクエストを送信する」とSchmugar。コンピュータが比較的新しいもので、ブロードバンド回線でインターネットに接続されている場合には、ユーザーはマシンのパフォーマンスが多少落ちてもおそらく気付かないだろうと同氏は推測する。
インターネットパフォーマンス管理会社のKeynote Systemsは、同社が計測を行っている人気の高いウェブサイトの上位40サイトで、26日午前にパフォーマンス平均が落ちたことを明かした。同社のDella Loweによると、これらのサイトの可用性が97%以下に落ちることはほとんどないという。しかし、太平洋標準時午前7時から信頼性が1.5%低下しており、同社ではMyDoomの亜種が全体的な速度低下の原因になったと考えていると同氏は語った。
「もっと広い範囲でインターネットに問題が発生しているのかもしれないが、われわれはまだデータの調査を進めているところだ」(Lowe)
Googleのユーザーらは、同社の検索エンジンが使えなくなったことに、とりわけ衝撃を受けている。PhiladelphiaのTodd Breslowというユーザーは、ウェブページのデザインをしていた時に、画像のボーダーサイズの調節について正しいやり方を知ろうと思い、Googleを使って調べようとしたがうまくいかず、結局代わりにMSNの検索エンジンを利用したという。
「昼食に出ていて、さっき戻ってきたところだが、Googleにはまだアクセスできない。社内では皆がショックを受けているようだ」と同氏は電子メールのなかに記している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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