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第1四半期決算はハイテク企業の株価反転上昇のきっかけとなるのか

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 今週から主力ハイテク企業の2005年3月期第1四半期(4〜6月)の決算発表が本格スタートしている。5月以降、主力ハイテク企業の株価は下落傾向を強めてきたが、果たしてこの第1四半期の決算発表をきっかけに株価が反転上昇することになるのか。

 今後の株価動向を占う前に、今年に入ってからの主力ハイテク株の推移を見てみよう。年初から4月半ばまでは、ほぼ全体相場の上昇に連動するかたちでジリ高傾向をたどった。4月半ばからは、2004年3月期決算の発表に伴う2005年3月期の業績について各社とも好調な見通しを明らかにし、これを好感して5月の大型連休にかけて株価が急上昇をみせた。しかし、5月の連休明けからは全体相場に連動するかたちで急落した。全体相場は5月中旬から再び上昇軌道に復帰したものの、主力ハイテク株の多くはジリ安傾向か横ばいにとどまる軟調な株価推移となっている。

 次に、日本に比べてひと足先に主力ハイテク企業の4〜6月の四半期決算発表が出そろった米国の株式相場の状況を見てみよう。米主力ハイテク企業の決算では好業績が大勢を占めたにもかかわらず、先週末の23日にはNYダウ平均株価が終値で5月24日以来約2カ月ぶりに1万ドルの大台を割り込み、ハイテク株の多いナスダック総合指数も年初来安値を更新し続ける深刻な事態となっている。

 この米国株式相場の下落の背景について、外国証券のストラテジストは「足元の業績推移は好調だが、在庫の増加や受注減少による業績の先行き懸念、原油高騰による物価上昇、6月景気先行指数の予想外の下落、さらに、アテネ五輪以降の消費マインドの減速や、株価の下落による個人消費の停滞などがマイナス要因としてあげられている。今年後半以降の企業業績の拡大を見込んで、すでに株価が買い進まれてきた背景があるだけに、実際の業績見通しが期待値を大きく上回らないと、失望売りが出てしまうという悪循環に陥っているようだ」としている。

 さらに、日本の主力ハイテク銘柄に特有の市場内部的な要因も考慮しなければならない。それは、株価が下落トレンドをたどってきたにもかかわらず、信用取引の買い残高が大きく膨らんでいる点だ。東証が21日に発表した16日現在の3市場(東京・大阪・名古屋)合計の信用買い残高は、3兆605億円と3週連続で増加し、5月7日の今年の最高水準(3兆932億円)に迫っている。この信用残高の増加の大半を占めているのが主力ハイテク銘柄だといわれている。

 具体的には日立、東芝、NEC、富士通、松下電器産業、ソニー、シャープ、アドバンテストといった銘柄だ。こうした銘柄の信用買い残高が増え続けているのは、5月の大型連休明け以降主力ハイテク株の株価が下落を続けるなかで、デジタル家電ブームを手掛かりにこれら銘柄の押し目買いが続いたためだ。

 準大手証券のアナリストは、「例えば、液晶表示装置の大幅増産でデジタル家電関連銘柄の象徴的存在とされたシャープの場合、信用買い残高は4月30日現在の1244万株から先週末16日には2476万株とほぼ倍増。その間、株価は下落しており、マイナス評価が膨らんでいる。すでに高値から500円強、25%も下げているだけに、下値は限定的になりつつあるが、当面の戻りのめどは200日移動平均線(過去200日の終値の平均値)の1700円台後半から1800円台にとどまりそうだ」としている。

 中堅証券の投資情報部では、「主力ハイテク株については、信用買い残が増加しながら株価が下げ続けるという最悪のパターンに陥っている。多くの個人投資家は含み損を抱えながらも、売るに売れない状態となっているのが実情。株価が少し戻り歩調となれば、戻り待ちの売りが一斉に出る懸念が強く、これが株価の上昇を妨げることになりそうだ」としている。

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