Microsoftは米国時間21日、フィッシング詐欺と戦うある組織に4万6000ドル相当のソフトウェアとフルタイムのアナリスト1名を無償提供すると発表した。
Microsoftからこれらの提供を受けるのは、米連邦捜査局(FBI)とNational White Collar Crime Center、カーネギーメロン大学、ウェストバージニア大学が共同で設立したNational Cyber-Forensics & Training Allianceという組織だ。
「これは、消費者詐欺やフィッシングに関する情報を集めて共有するための組織だ」とMicrosoftのInternet Safety Enforcementグループのシニア研究員Stirling McBrideは述べている。フルタイムのアナリストは、このグループから派遣される。「サイバー犯罪は自分たちで一方的に解決すべき問題ではないという認識がわれわれの中でますます強くなっている。警察当局も同様の結論に行き着いている」(McBride)
Microsoftのアナリストは、同組織が、連邦法のCan-Spam Act違反やフィッシングなどのインターネット犯罪に関連するデータを理解するのを手助けする、とMicrosoftは述べている。さらに、同連合と協力して警察当局がタイムリーな業界データを入手できるようにするほか、警察向けのトレーニングプログラムの設計にも携わる予定だ。
National Cyber-Forensics & Training Allianceは、インターネット犯罪と戦うために組織同士が協力し合える環境作りの一環として設立された。Microsoftは声明で、こうした取り組みは重要だと述べている。
「スパム業者やハッカー、オンライン詐欺師らの手口はますます巧妙になっている。Microsoftは一企業として、消費者に被害を及ぼす犯罪者を警察が捜し出すのを助けたい。そのためのリソースを提供する」とMicrosoftの相談役代理を務めるNancy Andersonは声明を出している。
フィッシング詐欺は金融機関にとって重大な問題となっている。フィッシングの手口は、銀行をはじめとする金融機関の顧客に偽物のメールを送り、個人のセキュリティ情報を更新するように求めるというもの。フィッシング詐欺師はこのようにして銀行口座の詳しい情報やクレジットカード情報、社会保障番号などを盗み出し、このデータを利用して企業やその顧客からお金をだまし取る。
スパムやメール攻撃、フィッシングの被害件数増加にともない、ハイテク企業各社は消費者の教育と、こうした被害を防ぐ方法の考案に力を入れている。
Dellは最近、顧客向け教育プログラムを発表した。またMicrosoftでは、Sasserなどの悪質なプログラムの作者に関する情報を提供した者に、懸賞金を支払うプログラムを実施している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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