カナダ・トロント発-- Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer によれば、現在赤字のエンタープライズアプリケーションビジネスの業績を簡単に好転させる方法があるという。それは、世界中をデンマークのようにすることらしい。
デンマークでは、Microsoftのリソースプランニングソフトウェアが中規模企業向け市場で圧倒的なシェアを占めている。また、同国では非常に幅広いパートナーを獲得したおかげで、その守備範囲は、Microsoftの他のどの国での活動よりも、広範囲の中小企業に及んでいる。
「私の野望は、世界中をデンマークのようにすること」と、同社がトロントで開催したWorldwide Partner Conferenceの基調講演でBallmerは述べた。「われわれはデンマークで成功しており、他国でもこれにならえば、Microsoft Business Solutions (Unit)の売上は現在の10倍になるだろう」(Ballmer)
同社はMicrosoft Business Solutions(MBS)Unitを立ち上げるためにGreat Plains SoftwareやSolomonなど複数の企業を買収したが、デンマークがそのうちの1社Navisionの誕生地であることを考えれば、Microsoftがデンマークで有利にビジネスを展開しているのは、当然の帰結だ。
また講演の中でBallmerは、SAPとの合併交渉について言及し、この交渉は、Microsoftの中小規模企業向けの取り組みがうまくいっていないことを示すものではない述べた。
次にBallmerは、パートナー向けのスローガンを発表した。それはとにかく戦略を「押して、押して、押し進めよ」というもので、今後何年かでMBSが数十億ドル規模のビジネスになることは確実だと語った。
またBallmerは、同社は今後も中規模企業向けの製品を設計していくと強調する一方で、MicrosoftがSAPと対決する時がやがて来るだろうと語った。そして、積極的に攻めて勝ち進もう、とパートナー企業に激励の言葉を贈り、SAPのパートナーも同じように攻めてくるだろうと指摘した。
MicrosoftはMBSのプログラムをOfficeなどの従来のプログラムとどのように統合するのかという質問に対しては、Ballmerは2つの段階を提示した。まず現在、Microsoftは個々のプログラムを連携させる手法、例えばExcelのデータをMBSプログラムから参照する方法などを開発中だ。そして長期的には、MBSと従来のプログラムの両方のプログラミング手法を統合したいと考えているという。しかし、Ballmerはこのようなアプローチには時間がかかり、Windowsの次期バージョンLonghornが必要となると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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