ドメイン名を管理している非営利組織、Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は、インターネットの複雑なアドレスシステムの処理はできるが、自らの予算管理には手こずっている模様だ。
ICANNは現在、1580万ドルという記録的な額の予算案を修正する期限に迫られている。 この修正は、新料金体系の導入に反対する登録業者が増え続けていることに対し、彼らの怒りをなだめるために考えられたものだ。
ICANNはマレーシアのクアラルンプールで7月19日から1週間にわたって理事会を開き、予算案の投票を行なう予定だ。この予算案は昨年の予算830万ドルの倍近い額で、さまざまな論議を呼んでいる。
5月に提案されたこの予算案では、登録業者に対して新たに3つの料金体系が導入された。登録業者とは、一般向けにドメイン名を販売するICANNの会員企業だ(これに対し、登記会社は、「.com」や「.info」といった個々のトップレベルドメインを管理している)。
新料金体系では、4000ドルの年会費と2つの変動料金--ICANN会員となっている登録業者の数によって変動するものと、ある登録業者が販売するドメインの数に応じて変化するものの2つ--が1つになった。その結果、会費は最高で1万9000ドルを越える場合もあり、こんな料金では廃業になりかねないと、小規模な登録業者75社が結束して、この予算案に反対している。
ボンベイにある登録業者DirectIの最高経営責任者(CEO)で、この反対運動を組織しているBhavin Turakhiaは、「われわれは皆、ICANNが強い力と十分な資金を持つことには賛成だ。しかし、われわれはこのモデルが安定するよう確実を期したいのだ」と述べている。
Turakhiaをはじめとして、予算案に反対する人々は、この案が大手の登録業者に有利だと苦情を述べている。また、予算案で提案されている免除システムは、利益の少ない登録業者は通常料金の3分の1の額を支払えばよいとするものだが、これについて彼らはドメイン販売事業をさらに曖昧・不確実にしてしまうと訴えている。
「大手登録業者がこの予算案に積極的なのは、会費が年間2万ドルにもなると小規模な業者がいなくなるからだ。大手業者はそういった理由から、この予算案を支持している」(Turakhia)
これに対して、ICANNは、この予算案を最初に提案して以来数カ月にわたって、小規模な登録業者の懸念への対処に取り組んでいる、と反論している。
「この予算案は、一部の小規模な登録会社を害する状態からは変更されている」とICANNの事業運営担当バイスプレジデント、Kurt Pritzは述べている。「ICANNとしては、登録会社のビジネスを邪魔しようとは考えていない。われわれは、各社間の競争を促進するために存在するのであって、各々のビジネスの邪魔をするためにいるわけではない」(Pritz)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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