米英豪がスパム対策で協力

Abby Dinham (ZDNet Australia)2004年07月06日 17時22分

 オーストラリアの通信および競争政策を管轄する諸機関が7月4日(米国時間)、米国ワシントンで、米英両国の機関とのスパム対策に関する覚書に署名した。今回の3国協調は、スパムに対する最新の国際的取り組みの一環だ。

 豪通信庁(ACA)と豪競争消費者委員会(ACCC)は、米連邦取引委員会(FTC)、英通商産業省(DTI)、英情報コミッショナー、英公正取引庁(OFT)と協力し、米英豪の3国に悪影響を与えている国境を越えたスパムの対策に取り組んでゆくことで合意した。

 ACAのBob Horton長官代理は、今回の合意により、スパム問題に関する国際協調の枠組みができると語った。

 Hortonは、3国間の覚書が国際的スパム問題解決の特効薬にはならないとしながらも、今回の合意は、国境を越えた詐欺行為撲滅に寄与し、スパム対策の取り組みやEビジネス/Eコミュニケーションの持続的発展を支援するものだと語った。

 「オーストラリアに入ってくるスパムの大半は、海外から発信されたものだ。よってスパム対策は、規制、自主規制、業界のイニシアチブ、技術的解決法、ユーザーの自覚を織り交ぜた世界的かつ多面的アプローチでなくてはならない」(Horton)

 Hortonによると、覚書への署名は、自国を「スパマー天国」にしないという決意の表明だという。また同氏は、ACAが様々な機関に対し、スパム問題を解決する上で自国政府と協力するよう呼びかけたと語った。

 ACCCのGraeme Samuel委員長は5日に発表した声明の中で、今回の合意はすでに確立している米英豪3国の協調体制を踏まえたものだと語った。

 「スパムは現在、拡大・深刻化しつつある問題であり、企業はスパム対策に莫大なコスト負担を強いられている。またスパムは消費者の判断を誤らせたり、欺くなどして、消費者の信頼の低下を招いている。今回合意した各機関はスパムについて以上のような認識を持っている。スパム問題に取り組むには、国際協調体制が必要だ」(Samuel)

 ACAによると、今回の合意がなされたことで今後、参加機関間の議論の機会が増えるという。また今月、スイスのジュネーブで、スパムに対する国際的立法、認識、協力についてのInternational Telecommunication Union(ITU)カンファレンスが開催されるという。同カンファレンスでは、Hortonが議長を務める。

 オーストラリアはこれまでも国際的なスパム対策に取り組んでおり、2003年10月には韓国との間でスパム規制を強化するための覚書に署名している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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