日本オラクルの株価が6月30日の東京株式市場で前日比410円高の6050円(終値)と急上昇し、5月6日以来約2カ月ぶりに6000円の大台を回復してきた。これは同社が29日の引け後に発表した2004年5月期決算が好調だったことに加え、続く2005年5月期の業績見通しでも、順調に増収増益となることが明らかにされたためだ。
その今5月期業績(非連結)見通しは、コンサルティング機能の統合を進め、ソリューション提案力の増強を目指すことで、売上高878億円(前期比6%増)、営業利益300億円(同8%増)、経常利益300億円(同8%増)、純利益177億円(同10%増)、予想1株利益139.4円を見込んでいる。この計画が達成されるようなら、純利益では過去最高利益の2001年5月期の183億2500万円に迫る水準となる。また、今期も利益水準の拡大が見込めることから、年間配当についても15円増配して、125円とする方針を打ち出している。また、2004年5月期の決算は、売上高828億5800万円(前々期比4%減)、営業利益277億2300万円(同7%増)、経常利益277億8400万円(同7%増)、純利益160億円3200万円(同15%増)となった。
今5月期の会社計画によると、米Oracleのグローバル戦略に則って、サポート事業が強化されることが大きな特徴となっている。データベース製品の販売・サポート強化による再生路線を打ち出している。営業・サポートの強化に伴う人員の増加によって先行して費用が発生するものの、その一方で売上高の計画が若干控え目となっている。また、データベーステクノロジーの回復基調の継続が予想されるうえ、これに伴いサポートサービスの売上高の拡大も継続することになりそうだ。これにより、今5月期の業績見通しでは、4期ぶりに売上高で増収と予想していることも大きな注目点といえる。
外国証券のアナリストは「前5月期の決算内容と、今5月期の業績見通しを検討してみると、日本オラクルの業績は本格的にボトムアウトして、会社側の経営戦略が再び拡大・成長の時期に入りつつあると判断できる」としている。
日本オラクルの株価は、4月5日に年初来高値の6850円をつけて以降反落に転じ、5月の大型連休明けにハイテク株全般が一斉に急落したあおりを受け、5月18日には年初来安値の4900円まで下落した。しかし、その後は一進一退を繰り返しながらも確実に下値を切り上げるパターンとなっており、5000円台半ばでの推移となっていた。そこに今回の好調な決算と今期の業績見通しが明らかにされたことで、一気に株価が6000円台に乗る展開となったわけだ。
今後の株価について準大手証券の投資情報部では、「確かに今回の決算と今期の業績見通しにある程度のポジティブサプライズがあったことは確か。しかし、株価が6000円台に乗せてくると、今期の予想PERは40倍を超えてくる。この40倍台というPERには、割安感が乏しいと判断せざるを得ない。短期的には、年初来高値の6850円を大きく上回る上昇の可能性は少ないのではないのか」としている。
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