電通とシャープなど、セキュアな2次元コードの発行管理サービスで新会社

 電通(俣木盾夫社長)、電通テック(小川茂也社長)、シャープ(町田勝彦社長)、デンソーウェーブ(今井眞一郎社長)の4社は6月30日、2次元コード「QRコード」に暗号化技術を付加した2次元コード「モバイルコード」を発行・管理するサービス提供会社を7月7日に設立すると発表した。

 カメラ付き携帯電話などで容易に情報を取得できるツールとして急速に普及する2次元コードを、安全に発行・管理するサービス提供が主なビジネス。コンテンツプロバイダやサービス提供会社に売り込み、初年度3600万円の売り上げを見込む。

 新会社の名称は「クロスメディアインフォメーションセンター」。7月28日から営業開始する。代表取締役社長には、電通の岡持充彦・関西本部インタラクティブ・コミュニケーション局コンサルティング部部長が就任する。資本金は3000万円。出資比率は電通が34%、電通テックが26%、シャープが26%、デンソーウェーブが14%。東京都中央区に本社を置く。

 新会社では、4社が共同で新開発した2次元コード「モバイルコード」を発行・管理するサービスを提供する。コンテンツやサービス提供会社などがモバイルコードを利用したサービスを提供するためのインフラを構築し、運用・サポートする。新たに開発した暗号化技術を付加することによってコードの改ざんや偽造を防止し、セキュリティ機能を強化したことが特徴。

 このほか、新聞や雑誌などの印刷物だけでなく、パソコン画面上の2次元コードやテレビモニタに映し出されたコードも読み取ることができるなど、読み取り精度も高めた。NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンが提供する携帯電話に対応。読み取るために、端末側に特別なアプリケーションをインストールする必要はない。

 新会社の社長に就任する岡持部長は、「2次元コードはさまざまな用途で利用され、急速に普及しており、今後もさらに拡大するだろう。しかし、セキュリティレベルの低さやコード体系の不統一による利用者側の負担が大きくなっている。新会社ではこのような課題を解決し、サービス提供会社が容易に2次元コードを用いたさまざまなサービスを創出できるようにしたい」と述べた。

 2次元コードは、カメラ付き携帯電話で撮影することによって、ホームページのアドレスを自動的に読み込み、URLを入力することなく簡単にアクセスできる手段として普及し始めている。2次元コードを読み取ることが可能な携帯電話は、すでに1000万台を超えている模様で、「04年度中には2000万台以上まで拡大する見込み」(岡持部長)という。

電通
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