Motorolaから独立した半導体子会社のFreescale Semiconductorは、通信キャリア向けの新しい統合型チップを開発した。これを利用すれば、家庭や小規模企業に光ファイバー接続を提供しやすくなり、しかもこれまでより低コストで済むと、同社では説明している。
Freescaleは米国時間21日、4つの機能を統合した「MPC8340BPON」というチップを発表した。通信機器メーカーはこのチップを使うことで、PON(passive optical network:受動光ネットワーク)を利用したブロードバンドサービスを実現する手頃な価格の通信機器を、これまでより少ない費用でつくれるようになる。
PONは、隣接する複数の家庭や事業所が光ファイバー回線を共有できるようにする技術。高速なブロードバンドサービスの提供を検討している通信キャリア各社にとっては、個々の家庭や事業所に直接光ファイバーを引くよりも廉価な代替手段となる。また同時に、現在各社が利用している従来の銅線の電話線に比べると、格段に大容量の帯域幅を提供できる。
Freescaleのチップセットには、同社のe300コアコミュニケーション・プロセッサによるブロードバンドPON(もしくは「B-PON」)機能が統合されている。B-PONではAsynchronous Transfer Mode(ATM)もしくはイーサネットを利用し、音声やデータ、動画のトラフィックを転送する。 B-PONの標準は国際電気通信連合(International Telecommunications Union:ITU)ですでに承認されており、最大622Mbpsのデータ転送レートを実現する。
米国では、家庭や企業での光ファイバー導入が進んでいない。Verizon CommunicationsやSBC Communicationsは、光ファイバーを「契約者の敷地まで( fiber to the premises )」敷設する計画を発表しているが、しかし大規模な導入が実現するのはまだ先のことだ。
ところが、アジア--とくに日本では状況が大きく異なり、光ファイバーに対する需要が現在拡大中だ。全世界では、昨年末の時点ですでに加入者が89万世帯を超えていると、コンサルティング会社のRHKは述べている。このうち、PONシステムを採用したネットワークは約40%に上り、なかでもB-PONは大きな部分を占めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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