ソフトウェア開発者のDave Winerは先週末、以前在籍していたUserLandでホストしていた約3000件のウェブログを使えなくしたが、この行為に対して一部から激しい批判を浴びせられている。
ウェブログ(あるいはブログ)と、Really Simple Syndication(RSS)フォーマットの第一人者であるWinerはインタビューの中で、これらのブログをUserLandから同氏個人のサーバに移動する必要があったと話している。同社は1998年にWinerが設立したソフトウェア会社で、同氏は2年前に同社を離れている。しかし、自分のサーバでは大量のトラフィックを処理しきれず、また無償でホスティングを続けるにも時間がかかり過ぎることを知った同氏は、継続をあきらめ、誰にも知らせずにこのブログを打ち切ってしまった。
現在、ハーバード大学ロースクールのBerkman Center for Internet & Societyでフェロー研究員の地位にあるWinerは、「あまりのトラフィックでサーバの身動きが取れなくなってしまった。それでも続ける余裕は私にはない」と語り、さらに、「私はあくまでも個人であり、企業ではない」と付け加えた。
同氏のこの動きに、ブログコミュニティは騒然となった。さまざまなブログや、Slashdotなどのサイトに投稿された長いコメントのなかには、Winerの擁護と、突然の放棄に対する猛烈な非難の両方が入り乱れている。
あるブログには、「無償でホスティングしてくれていたことのほかに、RSSの開発や、ブログの一般への普及に取り組んだことについても(Winerに)感謝すべきだ。とはいっても、今回のやり方はいただけない」と記されていた。
UserLandは、2000年に無償でWeblogs.comサイトのホスティングを開始した。だが、6カ月前に経営陣が入れ替わったUserLandは、営利事業と、RSSフォーマットやWeblogs.comなどの非営利事業との切り離しに着手した。Winerは昨年、RSSフォーマットをハーバード大学に移管したため、ユーザーには商用目的の著作権に縛られない「クリエイティブ・コモンズ」ライセンスでの利用が認められるようになった。Winerはさらに、更新された新着ブログのハブの役割を果たすWeblogs.comと3000の無償サイトを、自分のサーバに移行することにも同意した。
Winerは先週末、簡単な説明と音声によるコメントをWeblogs.comサイトに掲載した。同氏は、Weblogs.comサイトの複製が必要である場合、7月1日までに知らせてくれれば、これを提供すると話している。同氏は、複製の要望がこれまでに100件あったことを明かしており、休眠状態のブログが多くあることを考えると、7月までにはこの数が倍増すると予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」