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液晶関連銘柄が苦戦するなか、カシオの株価が堅調な理由

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 5月11日の前3月期の決算発表と今3月期の業績見通しの発表をきっかけに、全般軟調相場のなかで逆行高に転じたカシオ計算機の株価は、その後も一貫して上昇トレンドをたどり、引き続き年初来高値圏での堅調な推移が続いている。液晶パネルの価格下落懸念が強まったことをきっかけに、先週末の11日には韓国の株式市場で液晶大手のサムスン電子の株価が急落。これに連動するように東京株式市場でもシャープ、日東電工、JSR、スタンレー電気など液晶関連銘柄が軒並み値を崩す展開となり、この動きは京セラ、TDKなどの電子部品株にも波及した。こうした相場環境のなかでもカシオの株価が頑強な展開となっている背景を探った。

 カシオは5月11日に、前3月期の連結決算と今3月期の連結業績見通しを明らかにした。これが、デジタルカメラ、電波時計、電子辞書、携帯電話など主力商品が軒並み好調な売れ行きを示していることから、前3月の純利益が141億7600億円(前々期比2.51倍)と6期ぶりに過去最高益を更新、さらに今3月期の純利益も180億円(前期比27%増)と大幅続伸の予想となった。この好調な決算と業績見通しが市場にサプライズを与え、翌12日は前日比ストップ(200円)高の1330円となった。その後も主力ハイテク銘柄の株価の戻りがおしなべて鈍い相場環境にあって、カシオの株価は順調に下値を切り上げる展開が継続し、先週後半には1500円台に乗せ年初来高値圏での推移となっている。

 同社の2つの主力事業であるエレクトロニクス機器事業とデバイス事業は、ともに順調な推移が見込まれている。まず、売上高全体の約80%を占めるエレクトロニクス事業では、デジカメ、電子辞書が成長のけん引役を担っている。デジカメでは、前期に積極的に新製品を投入したことが功を奏して、「EXILIM(エクシリム)」シリーズが機種別で2003年度の販売額トップとなった。同社のデジカメの強みは、集積回路を自主設計し、2.0インチのTFT液晶を自前で生産できる点にあり、年内をメドに中国でレンズの基幹部品の現地調達比率を高めるなど、さらなるコストダウンを目指す。

 一方、電子辞書では現在の国内市場規模約500億円のなかでカシオは50%を超えるシェアを占めており、今後も年率10%を上回る成長が期待される分野だ。さらに、今後大きな市場を形成する商品として注目を集めているのが電波腕時計だ。この分野で同社は、薄型タイプの量産化などにより、国内市場では50%以上の高いシェアを誇っている。また、今後はドイツ、英国など欧州向け輸出の拡大も想定されている。

 デバイス事業部門では、同社の独自技術による小型液晶が順調なペースで拡大をみせている。同社の小型液晶はHAST(ハイパー・アモルファス・シリコン・TFT)と呼ばれるもので、一般のTFT液晶と比較して高精細、高性能を実現している。これに関連して、LSIの金属電極加工やフィルム基板の委託製造を主力とする子会社のカシオマイクロニクスの業績好調による親会社への寄与も下支え要因となっているようだ。カシオの場合は、独自技術により小型の液晶に特化してきたことが功を奏しているのだ。

 なお、新光証券では、6月4日付のリポートでカシオを取り上げ、投資判断を最上級の「1」で継続とするとともに、目標株価を従来の1650円から1900円に引き上げている。 同証券では「エレクトロ二クス事業、液晶デバイスなどのデバイス事業とも、今3月期も好調な滑り出し」とし、今3月期の連結業績について、営業利益で会社側見通しを40億円上回る440億円(前期比60%増)、純利益で同30億円上回る210億円(同48%増)を予想している。

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