総務省は6月8日、次世代IPインフラ研究会の第一次報告書を発表した。国内のブロードバンド普及に伴うトラフィック増加を見越し、次世代IPインフラの整備について検討したもの。
国内では、高品質のブロードバンド通信が普及しつつあるほか、e-Japan戦略IIが推進する電子政府、遠隔医療、遠隔教育に代表されるネットワークの高度利用が進むのに伴い、バックボーン回線のトラフィックが急増する見通しという。
また現状をみると、人口や経済規模では約2:1となっている東京:大阪間の比率が、トラフィック交換においては東京に集中しているほか、主要地域間におけるトラフィックでは、東京−大阪間が上り/下りとも全体の約70%を占めるなど、バックボーントラフィックは東京に集中しつつある。
トラフィックの一極集中化は、ブロードバンドサービスの品質低下、サイバー攻撃や大規模災害等に対する脆弱性、通信設備に対する過剰負荷などを招く可能性があるため、全体的なトラフィック情報の把握と、トラフィック分散が急務という。
具体的なトラフィック急増への対応策としては、1)ネットワーク増強に向けた技術の開発と実用化、2)トラフィック制御や品質保証に関する取り組みと技術開発、3)トラフィック分散を図る技術上の課題検証などを挙げている。
総務省は今後、同報告書を踏まえ、次世代IPインフラ整備に必要な研究開発や実証実験を行う予定。
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