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グーグルのデスクトップ進出に立ちはだかる難問 - (page 2)

Stefanie Olsen(CNET News.com)2004年05月31日 09時58分
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 New York Timesが伝えたところによると、Googleはハードディスク上にあるファイルの情報検索が容易に行えるツールの開発に乗り出そうとしているという。このツールは、たとえば電子メール、様々なフォーマットのテキスト文書、音楽/写真ファイルなど、作成したアプリケーションの違いを気にせずファイルを検索できるものだ。このようなツールの主な対象は個人ユーザーとなりそうだが、しかしこれは簡単に職場にも浸透する可能性がある。

 Apple Computerでは、こうしたタスクを実行するSherlockという優れたツールをすでに提供しているが、同ツールは市場シェアがわずか5%未満のMacintoshでしか使用できない。また、MicrosoftのWindowsにもデスクトップ検索ソフトが含まれているが、大半のユーザーはこの機能を利用する代わりに、自ら管理するフォルダーを使ってファイルを整理しているのが現状だ。

 現在Microsoftは、次期Windows「Longhorn」の開発を進めているが、この新OSでは、多くのアプリケーション内から、ローカルのファイルやウェブを検索できるようになる。ただし、同ソフトは2006年まで発売にならない。

前途多難か

 Googleが、このデスクトップ検索市場に早期に参入し、個人ユーザー向けに無料のソフトを提供すれば、同社はこの市場に足場を築くと共に、他社に対する優位性を確立することが可能だろう。さらに、一般のユーザーがパソコン利用時間の50%以上を費やしている、ウェブ以外の私的なPC環境まで、Googleの広告掲載の場にできる可能性もある。

 しかし、同社はすぐに新たな難問に遭遇するだろう。

 現在Yahooが所有するAltaVistaは、最初にデスクトップ検索に挑戦した企業のひとつだったが、同社の製品は消費者に受け入れられなかった。それ以降も、Copernic、Groxis、Enfish、8020、X1 Technologiesなど、多くの企業がデスクトップ検索用アプリケーションを開発し、ウェブサイトからダウンロード配布してきたが、いずれも大勢のユーザーを集めるには至っていない。

 調査会社IDCの推計によると、2003年の検索ソフトの総売上は6億1700万ドルだったという。

 「(検索ソフト市場は)非常に厳しい市場だ。いくつもの企業が現れては消えていった」と語るのは、企業向けに検索技術を提供するVerityという会社で、マーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるAndrew Feitだ。

 これまでGoogleのウェブ検索広告が論争を巻き起こしたことはない。だが、同社に批判的な立場をとる人々の考えでは、Googleがユーザーのプライバシーに関わる情報に触れるデスクトップ検索用のアプリケーションの扱いを誤れば、ユーザー離れを招く危険性もあるという。

 ClariaやWhenUといったアドウェア企業は、消費者の関心を集め、自社の広告ビジネスを支えるために、新しいデスクトップアプリを売り込んでいる。両社は当初、人気の高いファイル交換ソフトに自社製アドウェアをバンドルさせ、宣伝目的で行う追跡調査の対象となるPCユーザーの数を増やしていった。これらの企業は、アドウェアを通じて各ユーザーのウェブ閲覧をモニターし、その行動に基づいてターゲットを絞った広告を送信する。こうした宣伝活動が原因で多くのアドウェア企業が提訴されたが、それらの企業は法廷で自らには顧客のライバル企業のウェブサイトに広告を送る権利があると主張した。

 ウェブ検索広告と広告付きデスクトップツールの区別がますます曖昧になる中、Yahooの子会社であるOvertureが、ClariaとWhenUを通じて小さなテキスト広告を表示する契約を結んだ。

 今や各州の政府や連邦政府は、アドウェアおよび同ソフトの姉妹品でさらに激しい議論を呼んでいるスパイウェアの規制を目論んでおり、禁止も辞さない構えだ。すでにユタ州ではスパイウェア対策法が成立しており、また下院とFTCはここ数週間に相次いでこの問題についての公聴会を招集した。

 Googleは、広範な法規制が敷かれる前に自主規制する動きを支持しているようだ。同社は先頃、インターネットユーザーのPCに組み込むタイプのプログラムを開発しているソフトメーカー向けの行動指針を公表した。この中でGoogleは、単純な礼儀作法に従ったアプリケーション作りを提案したが、これにはそのアプリケーションが何をするものかを明らかにすると共に、ユーザーが望まなければ無効にできるようにし、さらに個人情報の漏洩といった卑劣な行為を行わない、といった内容が盛り込まれている。

 しかし、たとえこうしたベストプラクティスを適用したとしても、Googleが苦しい立場に立たされる可能性は残る。同社がすでにユーザーの検索履歴やウェブ閲覧についての情報を利用でき、また現在試験中のGmailサービスでも電子メールに関して同様の行為を行うことを考えれば、プライバシー擁護派や消費者から激しい非難を浴びることも十分考えられる。

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