ECOM、電子政府関連の活動報告書で「電子行政サービスのあるべき姿」を提言

 電子商取引推進協議会(ECOM、張富士夫会長)は、平成15年度電子政府関連活動報告を「電子行政サービスの利活用に向けた提言」として発表した。

 ECOM「電子行政・ビジネス連携ワーキンググループ」が、電子政府・電子自治体を利用者の視点から検証し、日本の行政サービスと海外事例の比較調査や商工会議所、地方経済産業局、地元企業などのヒアリングを通じて、電子行政サービスのあるべき姿を提言している。

 全体は3部構成で、「第I部 電子政府におけるビジネス支援のあり方」では、「電子政府は企業経営により活用されるべきであり、ビジネス場面での利活用の定着が地域産業の振興発展につながっていく」との見方を示す。

 国際的に評価の高い国の電子政府では、ビジネス支援向けのコンテンツが非常に充実しているとしたうえで、日本の電子政府にもビジネス支援を目的に充実した内容のサイトが多いものの、「提供する機関ごとに内容が縦割りであり、コンテンツの重複や過不足が多く、何よりも、知りたい情報を見つけるのに多大な労力を要する」といった問題点を指摘。

 また、地元企業経営者の調査結果として、「現行の電子政府・電子自治体は身近に利用したいとは思えない」との声も紹介している。理由として、「企業経営に直結する情報が少ないことと、行政に対する申請申告などは発生頻度も少なく、常時利用することはない」という意見があがった。

 こうした結果を踏まえて、報告書は、「電子政府・電子自治体をビジネス上で定着させるためには、企業ニーズに即したビジネス支援サービスを官民連携で立ち上げる必要がある」と提言している。

 以下、「第II部 クレジットによる公金納付の可能性について」では、今後のインターネットによる電子決済の可能性や課題を分析し、「第III部 地域ポータルの構築に向けて」では、「官民連携ポータル」が、利用者の利便性とコミュニティーの実現に貢献するとの見解を明らかにしている。

 この提言は、全官報を通じて販売もされる。価格は5000円。

電子商取引推進協議会

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