サンフランシスコ発--Yahoo最高経営責任者(CEO)のTerry Semelは、同社が金融関係のアナリストや投資家向けに毎年実施している説明会で講演したが、このなかで同氏は有料ユーザーの獲得目標数引き上げを表明し、好調なビジネスに対する自信のほどを示した。
Semelは米国時間13日、Yahooが新規加入者の獲得目標数を50%引き上げて1500万人にしていることを明らかにした。これは、同氏が2001年11月に発表した1000万人の目標を上回る。ただし、Semelは、この新しい目標達成に向けたスケジュールを明らかにせず、またどのビジネスが成長を牽引するかについても詳しくは述べなかった。
しかし、今回目標値が修正されたことは、同氏がCEO就任以来3年にわたって取り組んできたYahooの立て直しが順調に進んでいることを示すものといえる。
Semelは競合各社に向け、「われわれは今はおとなしくしているが、気を付けた方がいい。われわれには市場で勝利することしか頭になく、それだけにやりがいを感じている」と語った。
Semelがこうした強気のコメントを口にできるのも、Yahooがいま、同社の歴史のなかで何度かめの絶頂期にあるからだ。同社の財政状況も株価も急激な改善が続いている。現在とはかなり対照的だが、2001年に開催されたSemelにとって初めてのアナリスト招待日には、オンライン広告への依存度があまりに高かった同社の存続に対し、懐疑や疑念が渦巻いていたものだった。
当時Semelが最優先事項としていたのは、2004年までにYahooの広告への依存度を同社の全売上高の50%まで引き下げることだった。同氏はまた、8000万人という当時のYahoo登録ユーザーのうち1000万人を有料顧客にしたいとも語っていた。
だが、商用検索の台頭とオンライン広告の回復がここまで劇的だとはだれも思わなかった。
Yahooは2004年3月31日決算の四半期で、有料検索と広告表示を合わせた「マーケティングサービス」の売上が83%に達したと報告した。また、このニュースに加えて1対2の株式分割も明らかにした。同社は、ドットコムバブル絶頂期の2000年1月以来、株式の分割を行っていなかった。
ただしこれは、同社が広告以外からの収益を拡大させるという約束を守れなかった、と言っているわけではない。Yahooでは前四半期、有料契約者向けのサービスからの収益がほぼゼロから8800万ドルに上昇している。この成長の大半は、SBC Communicationsと提携しているブロードバンドアクセスサービスによるものだが、プレミアム電子メールやファンタジースポーツなど、社内で開発したビジネスもかなりの部分を占めた。Yahooには、前四半期終了時点で580万人の契約者がおり、その大半はSBCのサービス利用者だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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