ロサンジェルス発-ソニーは米国時間11日、PlayStation 2の価格を引き下げるとともに、まもなく発売となる携帯型ゲーム機について新たな詳細を明らかにした。
ソニーは、E3カンファレンスに先駆けて行われた記者会見で、PS2の価格を現行の180ドルから150ドルへ引き下げると発表した。この値下げは即日有効となる。先にMicrosoftがXboxの値下げに踏み切っていたことから、PS2でも同様の動きがあるだろうと見る向きが多かった。
だが、Sony Computer Entertainment Americaの平井一夫CEO(最高経営責任者)は、今回の値下げについて、他社の追従だという見方を否定し、PS2の延命のための意図的戦略の一環であると説明した。
「われわれのライバルのなかには、値段の安さだけでPlayStation 2より優位に立とうとしてきたところが多い」(平井氏)
同氏はまた、ソニーが昨年のE3で発表した携帯型ゲーム機、PlayStation Portable(PSP)についても新たな詳細をいくつか明らかにした。同氏は、PSPが多彩な機能を持つ端末になることを正式に認め、複数の映画・音楽スタジオと提携し、同製品向けのエンターテインメント・フォーマットを開発していることを明らかにした。同氏はまた、ソニーが米国で先頃開始した音楽ダウンロードサービス「Sony Connect」にもPSPが対応すると語った。
「この製品のキラーアプリがゲームであることは分かっている。だが、他のエンターテインメント分野の大手各社も関心を示している」(平井氏)
だが同氏は、今年初めに発表していたリリース日に言及しただけで、同製品の予定価格は明らかにしなかった。
ソニーはさらに、IBMおよび東芝と共同開発を進めているCellプロセッサについて、新たな詳細も明らかにした。CellはPlayStationの次期バージョンに搭載されると見られているが、ソニーはIBMから同プロセッサ搭載のワークステーションが発売になることを発表した。第4四半期にリリース予定の同ワークステーションは、デジタルアニメーションの制作など、エンターテインメント業界での採用を意図して開発されたものだという。
ソニーにとって、この分野で最大のライバルとなるのが任天堂だ。同社はゲームボーイで携帯型ゲーム機市場を10年以上も独占してきている。その任天堂が米国時間11日、暫定的にDSと呼ばれる新型携帯ゲーム機を発表した。
任天堂の経営陣は、DSのプロトタイプをE3開催前に主催した記者会見で公開した。この製品は、ゲームボーイアドバンスを大きくしたような外観で、画面は2つになりボタンの数も増えている。DSの画面は詳細な3Dイメージの表示が可能なタッチパネル式で、これをタップしてゲームをコントロールできるようになっている。同社はさらに、音声コマンドでゲームをコントロールできるようマイクも内蔵する。
DSは、今年後半に日本と米国で発売になる予定で、価格のほうは今後発表になるという。この製品には、同社が独自に開発した短距離ネットワーク技術および802.11bによるワイヤレス接続機能が搭載される。またDSは、新しい1Gバイトのメディアフォーマットを使う同システム専用に開発されたゲームと、ゲームボーイアドバンス用ソフトの両方をサポートする。
Nintendo of Americaのマーケティング担当バイスプレジデントGeorge Harrisonは、DSにはソニーのPSPが搭載しない技術を複数詰め込み、また市場を独占するゲームボーイの強みを利用すると語った。
「ソニーはまず、熱心なファンから切り崩しにかからなければならず、その先にも難問が多数待ち受けている。来春PSP用タイトルが出揃う頃には、ゲームボーイアドバンスを選んだアメリカ人の数は2500万人以上に上っていることだろう」(Harrison)
任天堂の岩田聡社長は、同社の次期家庭用マシンでも同様の革新を約束しており、任天堂はスーパーコンピュータのような性能面ではなくエンターテイメントの側面から競争すると語った。
「グラフィック機能だけ強化してもゲームのおもしろさが変わるわけではない。性能だけで大きく差別化できた時代は終わった」(岩田氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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