RSA Securityは27日(米国時間)、欧州と北米の数学者全8名からなるチームが3カ月以上にわたって取り組んできた、同社の最新暗号パズルの解読に成功したと発表した。
このチームは、約100台のワークステーションを利用してコードを解読し、賞金1万ドルを手にした。
このコンテストの参加者に課せられた課題は、RSAの576ビット暗号コードにとって重要な8つの「チャレンジ」ナンバーの生成に用いられた、2つの素数を見つけることだ。
RSAのコンテストは、電子セキュリティに用いられている長大なアルゴリズムの堅牢さをテストするために実施された。またこのコンテストには、計算量的数論や、大きな数の因数分解にともなう現実的な難しさについての研究を奨励する目的もある。
「このコンテストの間に得られた情報は、暗号コミュニティにとって価値ある資源であり、企業が求めるレベルのセキュリティを実現するための、適切な暗号化手法を選ぶ上で役に立つことだろう」とRSA Laboratoriesのチーフサイエンティスト兼ディレクター、Burt Kaliskiは述べている。
RSA-576は、インターネットおよび携帯電話などを使った決済用に奨励されている暗号鍵のうちでも、規模の小さなもののひとつ。通常の暗号鍵は1024ビット(10進法で310桁)だが、RSA-576は576ビット(10進法で174桁)となっている。数が大きければ大きいほど、安全性は大幅に向上するとされている。RSA-576の次に大きいチャレンジナンバーはRSA-640だ。
このプロジェクトには、Scientific Computing InstituteとPure Mathematic Instituteというドイツの研究グループや、オランダのNational Research Institute for Mathematics and Computer Scienceの他、カナダや米国、英国の数論学者などの専門家が参加した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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