戦いはこれから
AppleのiTunes Music Storeは成功を収めたが、デジタル音楽ビジネスはまだ軌道に乗り始めた段階に過ぎず、次に何が起こるのかを予想するのは困難だ。iTunesの立ち上げはレコード業界関係者の多くから、オンライン配信に対するこれまでの制限を緩和するための実験として見られてきた。この実験の第一段階が成功した今、レーベル各社は新しい実験に素直に反応するかもしれない。
価格設定についてもいろいろな実験が行われるようになる。他社のサービスの多くは、Appleの設定したシングル1曲99セント、アルバムが9ドル99セントという価格に追従している。しかし、一部のレコード会社幹部が段階的な価格設定のテストに前向きの発言をしており、既に変化の兆しが見え始めている。
この傾向はiTunesでも既に見られる。シングルの価格は99セントでそのままだが、アルバムの中には値上げされたものもある。たとえば先週、Aerosmithの最新版は11ドル99セント、ロックギターの巨匠であるJoe Satrianiのニューリリースは14ドル99セントの価格が付けられていた。
この件についてAppleはコメントを控えているが、ほかの各種サービスは、レーベルが個々の曲やアルバムの価格を引き上げてきたことを明らかにしている。しかし、消費者に最も簡単な販売方法を残しておく必要があることから、1曲あたりの単価引き上げを承諾したところはまだない。
各レーベルの幹部たちは、価格の引き上げについて、小売店で販売されるアルバムの価格がタイトルや発売時期に応じて変化するのを真似た段階的な価格設定の実験を反映したものだ、と語っている。このモデルでは、リリース前のシングルや人気の非常に高いアーチストの作品が1曲あたり1ドル50セント以上、平均的な曲は99セントのまま、そして旧盤やプロモーション対象曲(もしくはアルバム)はそれ以下、といった設定になる。
RealNetworksの音楽サービス担当副社長Sean Ryanは、「価格を上げ下げする実験は有益だ。だれもが99セントに飛びついたからといって、これが適正価格だとは限らない」と語った。
価格設定の実験により、利用方法にも変化が起こる可能性がある。iTunesの顧客は現在、自分の購入した曲を最大3台のコンピュータで利用し、同じ曲を同じ順番で最大10回CDなどに焼くことができる。しかし、各レコード会社が契約についてAppleと交渉を進める中、これらの利用方法も調整される可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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