日立とルネサス、32ビット組み込み用RISC CPUコアSH-SAを開発

ニューズフロント2004年04月19日 15時07分

 日立製作所とルネサス テクノロジは、32ビット組み込み機器向けRISC CPUコアSH-2Aを開発した。日立が4月19日に明らかにしたもの。SH-2Aは、日立のSuper H RISCマイコンのCPUコアであるSH-2の後継に相当し、性能向上やプログラムコード効率改善のほか、リアルタイム性能が要求される用途向けの設計が施されているという。

 SH-2Aは、スーパースカラ方式の命令処理アーキテクチャを採用し、最大2つの命令を同時に実行できる。データバスを命令用とデータ用に分離するハーバードアーキテクチャにより、命令取り込みとデータアクセスの競合が発生せず、「メモリアクセスが連続する演算などでも性能が低下しない」(両社)。

 動作周波数1MHz当たりの処理性能は1.8MIPSで、SH-2の1.3MIPSと比べ約1.4倍になった。総合的な処理性能は、SH-SAが360MIPS(200MHz動作時)であるのに対し、最大動作周波数80MHzのSH-2は104MIPS。同一動作周波数ではSH-2より高い性能を確保でき、同じ性能を求める場合はより低い動作周波数で駆動できるので、低消費電力化が可能となる。

 命令セットはSH-2の上位互換。既存の16ビット長命令に加え、32ビット長の新規命令とアドレッシングモード、FPU関連の21命令を含む合計112命令に対応。32ビット長命令を採用したアドレッシングモードにより、プログラムのアドレス情報などを命令コード内に格納可能となり、1つの命令でより広い領域のアクセスが行えるようになった。その結果、アドレス情報をメモリ上にテーブルとして持たせる従来手法を使う場合よりもコードサイズを小さくでき、メモリ容量削減、コスト低減につながる。

 また、レジスタ情報を格納するための専用レジスタを内蔵しており、割り込み発生時にはレジスタ情報をハードウェアで高速退避できる。その結果、SH-2で最小37サイクル必要だった割り込みイベント発生からアプリケーションプログラム実行開始まで期間を、6サイクルに短縮した。「より応答性に優れたリアルタイム制御の実現が可能」(同社)

 開発ツールとしては、C/C++コンパイラ、エミュレータE10A-USB、リアルタイムプロファイラ機能付きE200Fを用意する予定。

 なお、ルネサス テクノロジは、SH-2Aを搭載した最初の製品を2004年第3四半期までに製品化し、その後順次展開していく。

日立製作所のプレスリリース
ルネサス テクノロジ

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