IBMは13日(米国時間)、Applied Micro Circuitsとの間で契約を交わし、PowerPCプロセッサのうち3種類のモデルを同社に譲渡することになった。Applied Micro Circuitsは、25年の歴史を持つネットワーク及びストレージ用半導体メーカーだ。
今回の契約で、IBMはPowerPC 403、405、440という3種類のチップをApplied Microに譲渡する。Applied Microはこの3種類のチップを、組込プロセッサ市場向けにスタンドアロン製品として販売する権利を手にすることになるが、同社ではこれらのチップをネットワーク機器などの製品に採用することが考えられるとIBM関係者は述べている。
サンディエゴに本社を置くApplied Microは、IBMに2億2700万ドルを支払い、3つのチップとPowerアーキテクチャのライセンスを獲得する。「Power」は、IBMがPowerチップ及びPowerPCチップに使うIBM独自の用語で、採用されている共通の技術基盤を示すもの。
なお、この契約によるはチップの譲渡は今四半期末までに完了する見込みだ。
IBMのPowerPCには、3つのスタンドアロン製品ラインがあるが、IBMはそのうちの1つを手放すことになる。同社ではこれを機に、PowerPCチップの販路を拡大したいと考えている。
「今回の契約は、Powerアーキテクチャをもっと多くのパートナーに公開して顧客を増やすという、われわれの目標と合致している」(IBM関係者)
IBMには、サーバ向けのPower4チップやPowerPC 700、PowerPC 970などを含む、Powerアーキテクチャをベースとするプロセッサが数多く存在する。同社はこのところ、コンピュータや通信機器、電子機器などの市場で、Powerチップの存在感を高める取り組みを進めてきている。
IBMはつい2週間前に、ハードウェアメーカーやソフトウェア開発者が利用できるPowerチップの情報や開発ツールを増やしていくとの計画を明らかにしたばかりだが、この計画が実施に移されれば、サードパーティが新たな製品を開発したり、Powerチップ搭載機器向けのソフトウェアをつくりやすくなる。
IBMの狙いは、Powerチップの開放的な市場を育て、そこで企業がPower製品やこれを搭載する製品向けのハードウェアやソフトウェアを開発・購入できるようにすることにある。同社では、将来この環境を利用してPowerチップのユーザーから機能の追加や強化に関するフィードバックを得たいとの考えだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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