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上昇相場のリード役、「去年NEC、今年は日立」は本当か

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 東京株式市場は、ここ数年にない明るいムードのなかで新年度を迎えている。昨年度を振り返ると、昨年4月28日に日経平均株価がバブル後最安値の7607円をつけてから反発に転じ、今年3月26日には1万1770円の高値をつけた。1年間で54%という大幅な上昇率だ。去年の4月下旬からスタートした反騰相場でリード役を演じたのは間違いなくNECだが、今年度については一部市場関係者から「今年は日立」といった見方が浮上している。果たして今年度の日立は上昇相場のリード役となれるのか。

 昨年のNECは4月14日に333円の安値をつけてから反騰に転じ、11月6日には1030円と半年余りで3倍の急伸をみせた。これに対して日立は、安値366円から高値835円まで2.2倍の上昇に止まった。

 NECが上昇した背景には、コスト削減や事業構造の改善が進展する一方で、ようやくIP電話やモバイル関連事業などの成長期待分野に経営資源を集中させてきた成果がみえはじめたことがあった。また、収益回復の足を引っ張ってきた半導体部門についても、改善の兆しが鮮明になってきたこともプラス要因となった。

 日立が今年度のリード役となる背景について外国証券のアナリストは「最大のポイントは、日立の収益が2003年度の後半から2004年度に向けて大幅に改善されると見込まれる点だ。この収益の改善をけん引しているのが、ディスプレイ事業とIBMから引き継いだHDD(ハードディスクドライブ)事業の損益の黒字化だ。さらに、連結持分法損益では、半導体事業会社のエルピーダメモリとルネサステクノロジの両社が黒字転換することも支援材料となっている。これに加えて、国内シェアの40%を確保しているプラズマテレビなどデジタル家電製品の好調も見逃せない」と判断している。

 デジタル家電のなかでも利益率が高く、市場開拓余地の大きさから注目されているのがフラットディスプレイパネルだ。このなかでも主力とみられているPDP(プラズマディスプレイパネル)で国内シェア40%(世界市場では25%)以上を占めているのが日立だ。傘下のFHD(富士通日立プラズマディスプレイ)は、今期に従来の5倍という大幅な増産投資に踏み切る。この大幅増産により、PDP成功のカギである液晶ディスプレイとの価格競争力で優る公算が高まってくるからだ。

 また、やや中期的な視点から、業績面で大きく貢献しそうなのが、ICタグの将来性だ。日立が開発して注目されているのは、μ(ミュー)チップというICタグ。チップサイズは0.4mm角で、ウエハ1枚から20万個程度採取することが可能だ。

 ICタグは極小のICチップを組み込んだ電子荷札で、ICチップにアンテナを取り付け、読み取り装置などと無線で情報をやり取りする。専用機器やソフトなど、関連市場の規模は2003年に500億円、2005年には3000億円になると見込まれている。さらに総務省では、ICタグ関連システム全体の市場規模について、2010年には31兆円に達すると予測している巨大市場だ。

 こうしたプラス材料を評価して、同社の2005年3月期の連結純利益は前期推定比10倍の1000億円に拡大することが見込まれている。

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