世界のレコード会社が加盟する業界団体、国際レコード産業連盟(IFPI)は30日(米国時間)、著作権のある音楽ファイルを違法に交換したとされる複数の個人を相手取り、第一弾となる訴訟を起こしたと発表した。デンマーク、ドイツ、イタリア、カナダの各国で、合わせて247人の個人に対して訴訟が起こされたが、これは全米レコード協会(RIAA)による訴訟と似たものだ。RIAAの訴訟に対しては、アナリストや研究者の間で評価が分かれている。
IFPIは、今回イタリアとドイツでは刑事訴訟を、カナダとデンマークでは民事訴訟を起こしたが、今後数ヵ月以内に、ほかの国々でもさらに訴訟を起こす計画だと語った。
今回最も大がかりな行動がとられたのはデンマークで、IFPIは120人の個人に宛てて、ファイル交換をやめて賠償金を支払うか、それとも罰金を払うかと尋ねる内容の書簡を送りつけた。Kazaa、DirectConnect、WinMX、eMule、iMeshなど、さまざまなファイル交換システムの利用者が、これらの訴訟の対象となった。
IFPIは、今回提訴に踏み切った理由について、RIAAの米国における試みが成功を収めていることを挙げた。RIAAは、米国の市民を相手取った訴訟を続けており、先週さらに532名の匿名の個人に対して、新たに訴訟を起こした。英国の音楽業界団体British Phonograph Industryも最近、数多く存在するファイル交換者に警告文を送付する計画を発表した。
「米国での訴訟と同じ結果になることを望んでいる」と、IFPI会長のJay Bermanは電話インタビューのなかで語った。「ファイル交換者はいまメッセージを受け取っている。匿名性の覆いが取り払われ、交換されるファイル数が減少している」(Berman)
しかし、RIAAの訴訟は、そのやり方と音楽販売への効果に関して批判を浴びている。あるケースでは、RIAAはニューヨークの公共住宅に住む12歳の少女を訴え、たちまち和解を強いられた。ファイル交換に関する調査では、RIAAが訴訟を起こした後でも、依然としてファイル交換の人気は下がっていないとの結果が出されている。リサーチ会社のNPDが1月に発表した報告によると、PtoPの利用は2003年11月に14%増加し、6ヶ月ぶりに上昇に転じたが、その原因は訴訟に関する報道量が減ったことにあると報告していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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