自社が所有する知的財産権からの収益拡大を目指すHewlett-Packard(HP)が、Gatewayに対する特許侵害訴訟を起こした。
HPの完全子会社であるHewlett Packard Development Companyは米国時間25日、南カリフォルニアの地方裁判所でGatewayを提訴した。訴状によると、GatewayはHPの何らかの特許を侵害し、HPへの利用対価の支払いを拒否したという。
HPの関係者によると、同社は損害賠償額を明らかにしていないが、過去の特許侵害に対する賠償金の支払いと、今後の補償金支払体系の確立を求めているという。GatewayとHPの間で以前に結ばれていた特許契約は1999年に無効になっている。HPは、GatewayによるeMachines買収を受けて、再びこの問題を持ち出すことにした。
Gatewayの関係者によると、同社は係争中の訴訟に関するコメントはしないが、精力的に自社の立場を弁護していくつもりだという。
この訴訟の争点となるのは、1インチノートPCやパワーマネージメントの特許など、PC関連の6件の特許だ。しかしHPの関係者によると、同社はPC関連で約6000件の特許を保有しているため、訴訟の対象が拡大する可能性もあるという。なお同社は世界全体で約2万1000件の特許を所有している。
Gatewayを相手取ったこの訴訟は、所有する技術群のライセンス供与拡大を目指して昨年初めに設置された、HPの知的財産グループにとって初めての裁判となる。ライセンス供与は、HPが膨大な予算を注ぎ込む研究開発からより多くのリターンを回収するための手段の1つだと考えられてきた。
調査会社IDCのアナリスト、Roger Kayは、「HPは自社が所有する特許の経済的メリットをこれまで十分に活用していなかった」と語った。
技術ベンダー各社は代々、特許を巡る争いが発生すると技術を相互にクロスライセンスすることでこれを解決してきた。しかしKayは、GatewayがHPに何を提供できるのかは不明だとしている。
「この訴訟は、重要な技術がPC市場の一部のベンダーによって独占されていることを浮き彫りにしているが、Gatewayにはそのような力はない」(Kay)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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