株式公開に関する憶測が飛び交うGoogleだが、ウェブ検索の王者としての同社の地位を脅かすべく、ライバル候補各社が一斉にGoogleのビジネスとテクノロジーの弱点を探り出そうとしている。
アナリストらはこれまでにも、Yahoo、Microsoftなどネット業界の巨人対Googleの間で繰り広げられる戦いが長く厳しいものになると予測してきた。YahooやMicrosoftは、ウェブ検索をビジネスの要としてきたからだ。
さらに、ガリバーであるGoogleは、無名からトップに躍り出た同社のごとく躍進を遂げる、リリパット国の小人のような新興企業集団にじりじりと脅されはじめている。いずれその多くが姿を消すとはいえ、一部の企業はGoogleの戦略をさらに発展させ、まったく新しい路線を追求するなどして、アナリストや投資家の関心を集めはじめている。
その筆頭候補が、サーチエンジン広告の改良を目論むQuigoやlndustry Brainsのような企業群だ。さらにMooter、Eurekster、Dipsieなどの企業では、GoogleやYahooも完成度を高めようとしているパーソナライズ検索の分野で優位に立とうとしている。これ以外にも、特定の地域に合った検索ツールや、あるトピックに関してより高精度な検索結果を返すための支援を行うビジュアル機能の開発なども見られる。
Jupiter MediaのチーフエグゼクティブAlan Mecklerは、「検索サービスは爆発的に拡大している領域だ。未上場ながら年間2000万ドルから1億ドル相当の企業価値をもつ魅力的な小企業が多数登場するだろう」と述べている。
Yahoo傘下のOverture Servicesが先鞭をつけた「ペイ・パー・クリック広告」の成功でサーチエンジンが金のなる木だと証明されたことから、この市場は熱気を増している。サーチエンジン広告は、盛り返してきたインターネットマーケティング部門の中でもっとも成長が著しい分野であり、Yahooもそのおかげで昨年は84%も売上を伸ばした。
検索サービスに対する見方が変わってくると、MicrosoftやIBMなどの大手テクノロジー企業数社も、その研究開発の優先順位を一気に引き上げた。このことから一部のアナリストらは、Googleが独り勝ちしていた検索サービス市場の少なくとも一角は、ライバル企業に取って代わるだろうと予測しているのだ。
「何から何までGoogleが提供できる訳ではない」と、Forrester Researchの主席アナリストCharlene Liは述べる。Liは最近、Googleが消費者向けの広告型検索技術で独走する一方で、MicrosoftはOS上の高性能検索技術で最優位に立っているとの見方を示した。
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