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Wi-Fiでビルの建設? ワイヤレス業界発展への道 - (page 2)

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標準規格の開発が進む

 既存のネットワーク企業が開発した初期の製品が、ワイヤレス産業全体で使用されうる新しい標準規格になりつつある。例えばSymbol Technologiesは、航空会社の依頼で飛行機からの応答時間の短縮化に取り組んだことで、ワイヤレスネットワークの国際ローミング基準の開発において重要な役割を果たしたという。

 地域によって使用する無線周波スペクトルの帯域が異なっているため、それまでは機内に搭載されたコンピュータから空港へ飛行記録を無線で送信することができなかった。だが、802.11dとして知られるローミング標準規格が開発されたことで、こうした問題は解決した。同技術では、原則的にどの周波数を使っていつデータを送信するか、システムに通知するようになっている。

 その他にも幅広く利用されるようになった標準規格には、サービスの質に関わる802.11eや、ネットワーク間を移動する際のクライアントのローミング向上のために開発された802.11rなどがある。

 しかし、HPのProCurve Networking部門マネージャーのMatthew Zannerは、メインストリームでの導入には、大きな障害としてセキュリティ問題が未だ解決されていないと指摘している。

 社内にワイヤレスネットワークがなかったり、既存の設定を補足するために便利だからといって、従業員が個人のワイヤレスハブを社内に持ち込むことがあるが、これを会社側は憂慮するようになっている。このような無法・無認可のアクセスポイントは、セキュリティが不十分な可能性もあり、外部からの侵入者を企業内ネットワークに招く恐れがあるからだ。

 ワイヤレスで商売している企業でさえも、自社ネットワークにどのような情報を流すかについては慎重だ。

 Webcor BuilderのDavisは、「我々が扱っているデータの一部は、リスクを考えても生産性とセキュリティの間で妥協する価値がある。しかし、給与支払い名簿および全ての会計情報は、未だに別のネットワークに保存している」という。

 セキュリティに対する不安が尽きない中、ワイヤレス機材向けのソフトウェアやサーバ、規格の開発に従事する企業が次々と登場し、零細産業を作り出した。こういった企業が手がけるものには、特定のチップに直接埋め込むことができるWi-Fi Protected Accessという保護機能などがある。2004年中旬までに完成が期待されるセキュリティ標準規格802.11iなども、業界全体で方策を決める取り組みが行われている。

 セキュリティ問題以外にも、企業がワイヤレスをいかに早く導入するかを決定付ける条件がある。新技術導入の際、企業は導入にかかる総費用を計算するとともに、新しい技術を習得するための従業員の学習曲線やそれに伴うトレーニング、またメンテナンスについても考えなければならない。ところが、米Proximの最高経営責任者(CE)、Frank Plastinaによると、導入の際のそうした障害については、ワイヤレスはすでに克服しているという。Proximは、セキュリティ昨日が組み込まれたネットワーク装置やネットワーク管理ソフトウェアのメーカーである。

 「我々は、ワイヤレスの導入が進むのは確実だと考えている。情報技術の分野でワイヤレスが導入されようとする理由は2つある」とPlastinaは説明する。「ひとつは、家庭用Wi-Fiネットワークが普及し、Wi-Fiの使い方に慣れた人が増えていることだ。もうひとつは、パソコンのアップグレードサイクルが企業に影響を与えているからだ。つまり、ノートパソコンなどのクライアント機材にWi-Fiが標準仕様として組み込まれているため、Wi-Fi機能に余分な費用を支払わなくていいということだ」(同氏)

 Webcor BuilderのDavisは、同社がワイヤレス技術を導入した結果、どれだけ生産性が向上したかを金額で換算することは難しいと言う。しかし、ワイヤレスが多くの頭痛の種を解消してくれたと彼は実感している。

 少なくとも、St. Regis Museum Towerの建設現場にどのようにケーブルを通すか考える必要はないし、どこからでも飛んでくるホコリや工事現場のゴミからどのようにパソコンを守るか、頭を悩ます必要がなくなったことは確かである。さらに、ワイヤレス技術には、目先のプロジェクト以外にも恩恵をもたらしている。作業員が作業工程を効率的にチェックできるため、次の工程に迅速に移行できるようなったのだ。

 Davisは「我々にとって、柔軟性が全てだった」という。約1000人の従業員で、Webcor Builderが契約したプロジェクトの額は計14億ドル。「どの仕事現場も臨時のオフィスになる。1日で現場を立ち上げることもできれば、2週間後に取り壊すこともできる。これは大変便利だ」(同氏)

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