コンピュータセキュリティ用のソフトウェアを開発するRSA Securityは米国時間24日、RFID(無線認識)タグの発信情報を保護する新技術を発表した。
このRFID偽装システムは、(添付された)製品の情報を含むチップにある、プロプライエタリなデータの保護を意図したもの。RSA Blocker Tagと呼ばれるこの技術は、RFID読み取り装置を混乱させ、特定の範囲外ではこれらのデバイスが個人や商品に関するデータを追跡できないように設計された通信妨害システムを採用している。
無線技術を利用して詳しい情報を読み取れるRFIDタグを利用すれば、メーカーや小売業者にとっては在庫の追跡能力を大幅に改善できるようになる。既存のバーコード技術より進んだ代替技術と考えられているRFIDは、製品やサプライチェーンをインテリジェントに管理して経費削減をねらう企業の間で大きな話題となっている。しかし、RFIDの広範な普及を妨げている最大の障害は、このチップを利用することで製品データが勝手に収集され、消費者にとってプライバシーのリスクが生じることへの懸念だ。
RSAは今週、サンフランシスコで開催中の同社主催のセキュリティカンファレンスにおいて、薬局を模した設定でRFIDブロックツールのデモを行っている。このシナリオでは、RSA Blocker Tagが装着された特殊な袋を薬局が顧客に渡して、RFIDの読み取り装置がデータを収集できないようにしている。
このブロッカータグの仕組みは、スパムなどの不要なデータが流れてきたようにRFIDの読み取り装置に思いこませ、情報を収集するデバイスにデータを受信させないようにしむける無線信号を発信するというもの。RSAの主張によると、RFIDを装着した製品をブロッカータグを装着した包みの中に入れると、包みの中の製品が発信する情報は、このシステムによってRFIDの読み取り装置では一切読みとれなくなってしまい、それによって消費者の情報が保護されるという。
同社によると、RFIDタグの付いた製品をブロックシステムの装着された袋から取り出せば、読み取り装置は再び正確にRFIDタグをスキャンできるようになるという。薬局を例にとると、保護されているときは処方薬のビンをスキャンできないが、保護が解除されれば便利な処方情報が提供されるようになるとRSAは説明している。
同社はさらに、この偽装システムが通常のRFIDシステムの動作と干渉することはなく、ハッカーがセキュリティ技術を使って盗難防止システムをくぐり抜けたりDoS(サービス妨害)アタックをしかけたりすることはできないとも断言した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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