セキュリティ教育プログラムなどを手がけるSecurity Education Alliance/Japan(SEA/J)は、東京電機大学と共同で情報セキュリティ講座を2004年4月に開講する。同大学の大学院生と社会人を対象とした半年間のコースとなる。
説明に当たった東京電機大学 工学部 情報メディア学科 情報セキュリティ研究室 教授の佐々木良一氏は、海外の大学に比べて日本の大学のセキュリティ教育が遅れていると話す。米国では大学におけるセキュリティ教育コースを一覧できるウェブサイト(http://avirubin.com/courses.html)があるほか、学部レベルでセキュリティ専攻コースがあるという。また、韓国でもセキュリティ学科が誕生しており、毎年1000人規模の卒業生が輩出される予定とのことだ。
東京電機大学教授の佐々木良一氏 | |
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日本でも2004年4月に情報セキュリティ大学院大学が横浜に開講されることになっているが、1学年の人数はわずか49人。「もっといろいろな大学で専門家を育成する必要がある」(佐々木氏)
東京電機大学で開講される講座は、SEA/J認定教育コースをもとに実習を強化した内容となっている。これは、「役に立たない講義は意味がない」という佐々木氏の考えに基づいたものだ。コースは暗号技術を体系的に学ぶ「暗号とその応用」、ユーザー側のセキュリティ対策を中心とした「ネットワークのセキュリティ」、サーバへの侵入の防御策を取り上げる「不正侵入対策の実際」の3種類がある。ケーススタディなどを交えた実務的な講座となる予定という。
いずれも社会人の定員は15名。受講料は「暗号とその応用」が1万円、そのほかのコースが3万円となっている。受付は2月19日から3月15日まで。
SEA/Jはユーザーのセキュリティ意識向上のために、ITベンダーやシステムプロバイダなど8社が共同で設立した機関。RSAセキュリティ、大塚商会、ソフトバンクBB、ディアイティ、トレンドマイクロ、日本ベリサイン、ヒューコム、マイクロソフトが正会員として参加している。
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