IBMとCisco Systemsは米国時間13日、両社のセキュリティおよびマネジメント製品を統合し、攻撃からネットワークを保護したり、データへのアクセスコントロール機能を改善する自動化ツールを企業に対して提供していくと発表した。
両社によると、統合されたソフトウェアおよびハードウェア製品は、お互いに「会話」を交わし、決められたセキュリティーポリシーを遵守していないシステムを特定する役に立つという。もしこうした問題のあるシステムやあるいは脅威を検知すると、両社のセキュリティ技術が自動的に適応し、ハッキング、ワーム、ウイルスなどのセキュリティ侵害からネットワークを保護するようになる。
両社によると、こうした自動化のアプローチを採ることで、セキュリティの単純化、実装および管理コストの削減、事業の生産性の向上に役立つという。
ネットワークへのアクセスに対するコントロールを向上させるために、両社はCiscoのセキュリティポリシー管理技術とIBMのTivoliネットワーク管理ソフトウェアを、2004年3月から統合する。これにより、企業は数多くの従業員、ビジネスパートナー、顧客のID管理をネットワーク全体で行えるようになると両社は説明している。こうしたアプローチを採れば、たとえば無効なユーザーアカウントのような、個人情報や知的財産の盗難に結びつくセキュリティリスクが軽減されるはずだ。
IBMでは、現在同社のノートPCにCiscoのセキュリティ機能を統合しているという。ThinkPadノートPCには、新しいマイクロプロセッサが搭載され、CiscoのIPsecバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)製品を使って、有線もしくは無線接続経由で、離れた場所から企業内ネットワークにアクセスできるようになる。また将来的には、CiscoのSecurity AgentがIBMのクライアントとサーバに組み込まれ、ワームやウイルスからの保護機能を提供したり、セキュリティソフトウェアの更新回数を削減する。
両社はまた、PCやサーバのような顧客のエンドポイントマシンに対するセキュリティ認証機能を向上させるが、このためにIBMのTivoliセキュリティ管理ソフトウェアと、Cisco Network Admission Control(NAC)プログラムを使用するCiscoのインフラ製品を統合する。NACを使用すると、Ciscoのデバイス同氏が互いにコミュニケーションを取り、あらかじめ定義されたセキュリティポリシーを実行して、重要なネットワークやシステムリソースへのアクセスを自動的に許可したり拒否したりすることが可能になる。
さらに、CiscoとIBMはセキュリティサービスの分野で協力を行い、IBM Global Servicesを通じてこれを提供していく。同社のコンサルタントは、統合型セキュリティソリューションを設計・実装するために、ITインフラの査定を支援し、また顧客に対して自社のセキュリティオペレーション管理に必要なスキルを提供することになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス