サン、プロセッサ開発のロードマップを発表--UltraSparcチップをさらに倍速化

Stephen Shankland(CNET News.com)2004年02月12日 20時13分
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 サンフランシスコ発--Sun Microsystemsは米国時間11日、新たに発表したUltraSparc IVプロセッサがサーバの性能を2倍近く引き上げたことを自慢する暇もなく、次期UltraSparcプロセッサでもまた同様の性能向上を実現するとほのめかした。

 同社CEOのScott McNealyは11日、当地で開かれた同社のアナリスト会議において、UltraSparc IV+(コード名:Panther)を発表した。その詳細については、プロセッサ・アンド・ネットワーク製品部門のエグゼクティブ・バイスプレジデントであるDavid Yenが明らかにしたが、同氏の説明によると、この新たなチップには現行のUltraSparc IVにはない新型の高速キャッシュメモリが搭載されるという。

 キャッシュメモリは、よく使われるデータの保存や取り出しを、コンピュータのメインメモリよりも高速に行うためのものだが、これを高速化する方法の1つに、チップのシリコンのなかに直接埋め込むという方法がある。だが、Sunの現行のUltraSparc III/IVでは、キャッシュの別モジュールにしている。

 Sunの最高技術責任者(CTO)を務めるGreg Papadopoulosは、インタビューの中で、オンチップ・キャッシュの採用を認めた上で、同機構を採用したUltraSparc IV+がUltraSparc IVの2倍近い処理性能を実現することになると語った。

 Sunのチップ戦略は、同社の成功の鍵を握るものだ。同社は、主にIBMのPowerプロセッサやIntelのItaniumチップといった競合からの挑戦に勝たなくてはならない。だが、SunはもはやUltraSparcだけに頼っているわけではない。同社は、IntelのXeonやAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronなど、いわゆるx86プロセッサを受け入れて、自社のサーバ製品に採用しており、また実際にOpteronを使って他社に先んじることができると期待している。

 Sunは、2003年に発表したミッドレンジ向けのUltraSparc III i(Jalapeno:「ハラペーニョ」)プロセッサで、初めてオンチップ・キャッシュを採り入れた。Yenによると、このチップの後継となるUltraSparc IIIi+では、オンチップ・キャッシュの容量を4倍に増やし、4MBに引き上げるという。

 新しい生産プロセスへの移行は、回路の小型化を意味しており、一定の大きさのシリコン上に詰め込める半導体が増加するため、キャッシュメモリのような機能を埋め込むことにつながる。UltraSparc IIIi/IVは、Texas Instruments(TI)が130nmプロセスを使って製造しているが、これに対してIIIi+/IV+チップは90nmプロセスで製造されることになる。

 SunのUltraSparc IVは、2つのUltraSparc IIIプロセッサを1つのシリコン片上に収めたもので、デュアルコア設計技術と呼ばれている。IBMやHewlett-Packard(HP)はすでにこの技術を導入し、またIntelやAMDも今後この採用を予定している。

 Sunはまた、長期的なチップ戦略についても説明した。マルチスレッディング(もしくは、スループットコンピューティング)と呼ばれるビジョンの下で、Sunはスレッドと呼ばれる複数の命令シークエンスをさらに効率よく処理できるプロセッサを設計しようとしている。

 SunのデュアルコアUltraSparc IVは、2つのスレッドを同時に処理できる。開発コード名「Niagara」と呼ばれる別のチップでは、同時に扱えるスレッドの数が32に増える予定だが、これは各々4つのスレッドを扱えるチップコアを8つ使うという仕組みになる。ただし、このチップでは1つのスレッドを最高速度で実行することはできない。

 シングルスレッドの処理で最高の能力を発揮するチップとして、Sunは「Rock」というプロセッサ製品群を用意するとYenは語った。このプロセッサはまた複数のスレッドも実行できるようになる。「両者の良い部分を実現することを意図した設計だ」(Yen)

 Yenはインタビューのなかで、SunではRockに関して2つ以上のモデルを出す計画だと語った。「1つのモデルで、すべての用途に対応させたりはしない。どの目的にも使えるチップを設計しようとすると、結局どれにも使えないものができてしまうからだ」(Yen)

 さらに同氏は、「新しい世代のチップのマルチスレッド化で、Javaコードの処理を特に最適化できる」と付け加えた。Sunは自社でハードとソフトの両方の設計を手がけ、それによってWintel陣営の製品を性能面で上回れると主張しているが、こうした機能はそんなSunのメッセージとうまく合致するものだ。

 Sunに対しては、スループットコンピューティングという野心的な計画に信憑性を与えるためにも、自社の約束したことを実現させなくてはならないという声が外部から上がっている。これに関して、YenはSunがそうした期待に応えつつあると述べた。「我々はスループットコンピューティングに関しては計画通りに進んでいる」(Yen)

 その証拠として、同氏はSunが今春UltraSparc VとNiagaraの設計を完了する点を挙げた。新しいチップの設計完了後は、最低でも1年をかけてデバッグとテストを行い、またこの間にチップを搭載する新たなサーバを設計するというのが通常のスケジュールだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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