Sun Microsystemsは4日(米国時間)、将来のデスクトップコンピュータ用Javaアプリケーションの基盤となるソフトウェア、Java 2 Platform, Standard Edition(J2SE)1.5(開発コード名「Tiger」)のベータ版をリリースした。
J2SE 1.5では、Javaプログラミング言語や、Javaアプリケーションの実行に使用されるソフトウェアに、一連の拡張が施されている。また同社は5日には、J2SE 1.5のベータプログラムを発表した。
J2SEは、Javaの最新機能を統合できるように、Javaプロバイダがソフトウェア、特に開発ツールを作成する方法を記した仕様だ。Tigerは今夏完成予定となっている。SunやBorland SoftwareなどJavaのライセンスを受けたメーカーが製品に最新機能を追加するまでには、通常数カ月かかる。
Sunでは、同社のオープンソース開発ツールNetBeansにJ2SE機能拡張を統合した、バージョン4.0となるアップデート版を今夏リリースする予定だと、Sunの開発者ツール部門最高技術責任者(CTO)Games Goslingは述べている。この他のJavaツールメーカーも、それぞれの製品に変更を加えると見られており、またパソコンメーカー各社も、Javaコードの実行に必要なソフトウェア、Java Runtime Environmentを出荷する。
J2SEソフトウェアは通常デスクトップパソコンで動作するもので、これがサーバサイドのJavaアプリケーション用のJava 2 Enterprise Edition標準のベ―スになっている。また、携帯電話などの端末機器に組み込まれるJavaソフトウェアを対象とする、Java 2 Micro Editionという仕様もある。
Sunによると、J2SEの新しい仕様の最大の目標は、Java言語によるプログラミングの簡素化だという。Tigerには、プログラマが書くコードの量を削減し、アプリケーションの導入プロセスを簡単にするための変更が施されている。
新仕様では、プログラマがコードの中身に、メタデータと呼ばれる情報を追加できる機能も追加された。この機能が製品に実装されれば、開発者は何度も同じタスクを繰り返えさずに済むようになり、デバッグや導入作業で役立つと、Sunは述べている。
Tigerはまた、Javaアプリケーションの監視や管理がしやすくなるように設計されている。Linuxデスクトップ機を含む、デスクトップPC上でJavaプログラムを実行するためのソフトウェアも改訂され、Javaプログラムがより少ないメモリでさら高速に動作するようになる。
「過去1年間に、MacやLinuxのような他のデスクトップが(市場での)重要性を増してきた。そうしたOSがMicrosoftの独占を切り崩せるレベルに近づいているとは言わないが、しかし開発者の間では注目度や存在感が高まってきている」(Gosling)
アプリケーションの開発や実装が容易であることは、Sunや他のJava開発ソフトメーカーにとっては非常に重要な目標である。Javaの開発ツールや実装用ソフトは、広く利用されているものの、Microsoft製の開発ツールと比べると、概して複雑で習得が難しいとされている。
Java言語を簡素化する取り組みに加えて、Javaツールメーカー各社では、それぞれよりシンプルなツールの開発に投資を続けている。統合開発環境とも呼ばれるこれらのツールは、Javaプログラマーの生産性向上を狙ったもので、たとえばSunでは今年なかばに、Java Creatorというツールをリリースする計画がある。Java CreatorはMicrosoftのVisual Basicを利用している開発者の取り込みを狙って出される製品で、彼らの好みに合わせてドラッグアンドドロップでアプリケーションを作れるようになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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