アメリカンインディアン、イロコォイ族のダンス音楽がiTuneでは見つからない? Napsterにはネブラスカ州の民俗音楽がないって?
もう心配御無用だ。米国のスミソニアン博物館を擁するスミソニアン協会では、収入を得る新しい機会としてダウンロードごとに課金するモデルを採用し、同協会の所蔵するユニークな音源データを提供することになった。どのくらいユニークかって? 同協会のウェブサイトで現在販売されている音源のなかには、「Abayudaya: Music from the Jewish People of Uganda」や「Cowboy Poetry Classics」といったものがある。
ワシントンD.C.に本拠地を置く同国立博物館の運営する非営利レコードレーベル、Smithsonian Folkways Recordingsは、その膨大な音楽コレクションを効率的に市場に提供する方法を、長い間模索してきた。だが、Smithsonian Folkwaysは12日(米国時間)、全体で3万3000曲ある全タイトルを1曲99セントでダウンロード販売すると発表した。スミソニアン協会では、4月1日にサービスを開始することにしており、現在楽曲をデジタルフォーマットに変換中だ。
音楽を1曲ごとに販売するやり方は、主に米Apple ComputerのiTunes サービスの成功が牽引して現在定着しつつあるものだが、この販売方法が普及したことで、スミソニアン協会は珍しい機会を手にすることになった。これまでは、従来の通信販売か電子商取引という形式で、完全なアルバムやオムニバス版を市場に提供することに甘んじていた同協会だが、今回発表した新サービスにより、ユーザーが探している特定の録音を1曲ごとに安価で提供できるようになる。同協会のコレクションには、アメリカンインディアンのダンス音楽から初期のジャズのレコーディングまで、幅広いジャンルの音楽が揃っている。
Smithsonian Folkwaysのマーケティング担当ディレクター、Richard Burgessは、「当協会の目標は、人々の知識を深めることだ。1曲いくらというダウンロード販売の課金モデルにより、この目標を達成できるようになる」と語る。「Smithsonianのウェブサイトは、これまでもかなりのトラフィックがあったが、これらのアクセスがCDの通信販売につながっているとは言い切れなかった。我々は、(このデジタルサービスが)我々の保有するコンテンツのさらなる流通につながると期待している」。
Burgessによると、購入者の多くは、聴いたことのない音楽が入ったカセットやCDに対して10ドルから15ドルの支払いが生じるとなると、興味を失っていたという。1曲あたり1ドル以下であれば、例えば研究目的に1曲や2曲聴いてみたいと思っている人が、コンテンツに対して料金を支払う可能性は高いという。また、オンラインでの販売というフォーマットでは、注文する前に試聴できるメリットもあると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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