トレンドマイクロ(スティーブ・チャン社長)は12月17日、2003年のコンピュータウイルス感染被害年間レポートを発表した。このレポートは、03年1月1日から12月15日までに日本のトレンドマイクロのサポートセンターに寄せられた問い合わせを基に順位付けを行ったもの。上位10位は以下の通り。
2003年は、8月から爆発的に流行した「WORM_MSBLAST」の猛威が大きな話題となった。「WORM_MSBLAST」は、登場直後から6日間にわたって連日200件もの被害が報告され、1週間で約1300件に達し、過去最速規模の大流行となった。大流行の1つの原因としてセキュリティホールが発見されてから悪用されるまでのスピードが早まっている傾向があり、セキュリティパッチを適用する前に感染してしまう危険性がより高まってきている。
また、1位から8位までのすべてのウイルスが何らかの方法でWindowsのセキュリティホールを悪用することから、セキュリティホールを狙うウイルスが主流となったといえる。
ただ、「WORM_MSBLAST」の大規模な被害がありながらも、ウイルス被害報告の総件数は4万5238件と昨年(5万2172件)を下回った。同社では、「03年に登場したウイルスは、比較的短期間のうちに感染が収束したものが多いことが、被害の総数を抑えられた1つの要因」と分析するとともに、「単純に報告件数の大小のみで被害の深刻さを比較できない要素もあるため、見かけの数字が減少してもウイルス対策を軽視することはできない」と指摘している。
また、今後の傾向として、「引き続きセキュリティホールを悪用するウイルスには警戒が必要で、視覚的にユーザーを欺いたり、英語ではなく日本語で件名や本文を表記したメールや、OS言語によってメールの言語を変化させるマスメーリング型のワームが登場した場合、流行する可能性が高い」としている。
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