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OSCARアライアンス、「2003年オープンソース・ビジネス・アワード」を発表

藤本京子(CNET Japan編集部)2003年12月08日 21時27分
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 オープンソースの活用を推進する非営利団体OSCAR(Open Source Consulting Advisory Relationship)アライアンスは8日、「2003年オープンソース・ビジネス・アワード」を発表した。同アワードの授与は、今回が第2回目となる。2003年度のアワードは、システム開発を手がけるフォー・ワン・ファーストと、兵庫県洲本市に送られた。

 オープンソース・ビジネス・アワードは、オープンソースの活用を積極的に推進し、オープンソースでのシステム構築やソフトウェアの公開を行うことで普及や啓蒙活動に貢献した企業および団体に送られるもの。昨年度の受賞者は、「カプリチョーザ」や「Hard Rock Cafe」などのレストランチェーンを運営するWDIと、日本医師会総合政策研究機構。両者ともオープンソースを活用したシステム導入の成功事例を示したとして受賞するに至った。今年の受賞者が昨年と違う点は、「(昨年のようにユーザー側ではなく)今年はシステム開発を行う側が受賞したこと」(ゼンド・オープンシステムズ代表取締役でOSCARアライアンス事務局長の角田好志氏)だという。

 今年の受賞者、フォー・ワン・ファーストは、2002年1月に設立されたばかりのベンチャー企業。

フォー・ワン・ファースト代表取締役、前田直也氏(左)と、洲本市企画部情報課情報政策係主事、吉川昌孝氏
設立当初よりオープンソースでのシステム開発を中核事業としている。同社は、エステサロン向けの業務アプリケーションであるウェブPOSシステムを開発したが、それを「フランシーヌ」としてパッケージ化するとともに、今年7月オープンソースソフトウェアとして公開。現在までですでに120件ほどのダウンロードがあるという。公開にあたっては、GPLの日本版改訂バージョンともいえる「オープンソース・ビジネス・リーグby OSCAR」をはじめて採用している。

 兵庫県洲本市は、今年4月に政府よりITベンチャー育成特区に認定されたのを受け、「OSCA(Open Source Community in Awaji)」を発足。これは、都市部に集中しがちな開発案件を地元のベンチャー企業でも行えるようオープンソース技術を習得させ、地域経済の振興を図ろうというもの。具体的な事例や成果はまだ出ていないとのことだが、「電子入札や電子投票など、公的業務の電子化がテーマになってはいるが、このような年に数回しか利用されないようなものではなく、市民生活をいかに便利にできるかという視点での開発を進めていく予定だ」と、洲本市市長・中川啓一氏の代理として出席した同市企画部情報課情報政策係主事の吉川昌孝氏は述べた。

審査委員長の日経BP社主席編集委員、北川賢一氏

 審査委員長である日経BP社主席編集委員の北川賢一氏は両者の受賞について、「フォー・ワン・ファーストは、オープンソース・ビジネス・リーグby OSCARをはじめて採用したことに加え、環境に合わせた機能追加やソースコードの改変を開発元がメンテナーとして管理するという、新しいスタイルを確立した。一方の洲本市は、ITを活用した単なる電子自治体を目指すのではなく、真に住民の役に立つという点を重視し、オープンソースを積極的に採用するという基本方針の下でOSCAプロジェクトを主導している点が受賞理由だ」としている。

 OSCARアライアンスは、オープンソースの普及啓蒙活動を推進するとともに、オープンソース活用を目指す企業への様々なアドバイスや、オープンソース技術者の育成などを行っている。事務局長の角田氏は、オープンソースを推奨することで、「ソフトウェアは金額の正当性がわかりにくいものだが、オープンソースではこのような不透明さがないため、業界の健全化が図れる」としている。また、アワードの審査委員長を務めた北川氏は、「日本におけるシステム構築は、約8割が富士通やNECなどの大手ベンダーによるもの。そこにかかるコストが正当かどうかはっきりしないだけでなく、メインフレームの世界から脱却できないのもこのような大手ベンダーに頼りすぎている点が大きい。オープンソースを普及させることで、このような状況が改善されればいいと考えている」と述べた。

OSCARアライアンス

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