NECは、新薬開発の成功確率を大幅に向上するコンピュータ支援技術を田辺製薬と共同開発したことを発表した。
今回開発した技術は、新薬開発における新薬候補化合物の絞り込み(スクリーニング)を、コンピュータ上で効率的に行う「バーチャルスクリーニング」の基本となるデータマイニング技術(能動学習法)の1つ。少数の実験から高い精度で予測ルールを生成できる、創薬プロセスに適した「正例強調学習法」という手法を採用した。
具体的には、実験データ中にある規則(ルール)の学習において、すでに行った少数の実験結果から次に行う実験データを選ぶ際に、より精度の高いルールが生成できるデータを次の候補として選択する。これによって、わずかな実験結果から未知の実験データ中に内在するルールを高精度に学習する「能動学習法」において、新薬候補物質探索のようにデータに偏りがある場合でも、少ない実験から精度よくルールを生成することができる。
同手法を適用することで、従来20万種類の化合物の実験が必要だった新薬候補物質探索において、製薬企業が保有あるいは外部から購入する化合物すべてについて実験を行わなくても、従来の4分の1から5分の1(4−5万)の実験で、ほぼすべてについて網羅的に実験を行った場合と同等程度(ヒット率90%)の高い予測精度を実現することが可能となる。
同社は今後、今回の研究成果に関して、1年後の実用化を目指し、研究開発に注力していく方針。
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