NECとトクヤマ、ナノデバイスを実現する超高解像度電子線レジストを開発

ニューズフロント2003年11月21日 16時39分

 NECとトクヤマは11月21日、線幅8nm、ラインエッジラフネス1nm以下という極微細ナノ構造の形成が可能な電子線露光用超高解像度レジスト、カリックスアレーンを開発し、トクヤマが販売を始めたと発表した。

 この超高解像度レジストは、ベンゼン環をリング状に4個接続した直径0.7nmの低分子量レジスト材料を使用している。主な特徴は以下の通り。

  • レジスト材料の分子量を低減したことで、8nm幅という「世界最高の解像度」(両社)を実現
  • 結晶化しにくい特性を持ち、ラインエッジラフネスを1nm以下に低減
  • 分子の形態が変化しやすいため溶解性が高く、地球環境/作業環境への負荷が低い安全溶媒の使用が可能
  • 高純度化プロセスを開発し、金属不純物の濃度を低減したことで、LSIのプロセスラインへの導入に対応
  • クロロメチル化により、電子線に対する感度が向上

 NECは、同レジストを用いた微細パターン形成技術、FineNanoを微細MOSデバイスのゲートとして使うポリシリコンの加工に適用し、線幅10nm、高さ60nm、周期35nmという高アスペクト比のパターン形成にも成功した。「この開発は、従来よりもさらに微細なゲートを必要とする将来のLSI用極微細トランジスタの試作/評価を可能にするものだ。当社は今後この成果を活用し、高性能LSIの開発を加速させていく」(NEC)

NECのプレスリリース
トクヤマ

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