バンダイネットワークスが、12月12日にジャスダック市場に新規上場する。年末に向けての新規公開企業が目白押しとなるなかでも、「IT関連の成長株」との市場の評価を受けている。ただ、東証1部の日経平均株価が1万円を大きく割り込むなど、ここにきて株式相場全体の投資環境が極端に悪化しているだけに、果たして市場の実際の評価がどの程度になるのか注目が集まっている。
同社は、バンダイグループのなかでIT関連事業を担当する企業として2000年9月に誕生した。主力事業は、携帯電話向けコンテンツ事業で、各携帯電話キャリアを通じて待受画面、ゲーム、着信メロディ、メール、占い、ツール・コミュニケーションサービスなどを提供している。携帯電話向けコンテンツサービス事業では既に上場を果たしている同業も多いとのイメージが先行しているが、同社の場合、グループ力を駆使して「ガンダム」、「仮面ライダー」、「ドラえもん」など数多くの人気キャラクターを活用している点で、同業他社との差別化を図っている。
バンダイグループは人気キャラクターの版権を取得し、商品化するキャラクターマーチャンダイジングを得意としている。バンダイネットワークスはその強みを生かし、コンテンツの人気は各通信キャリアにおいてトップクラスを占めている。現在、国内の有料会員数は400万人を超えており、500万人突破を当面の目標としている。
一方、パソコン、携帯電話を通じたキャラクター玩具、プラモデル、フィギュア、ゲームソフト、DVDなどの商品の通信販売、ウェブ制作受託、インターネット対戦ゲーム提供のほか、各種事業者向け新規技術ライセンスおよびインプリメントソフトの販売も行っている。同社の目指すところは、エンターテインメントという切り口で様々な分野にビジネスチャンスを求め、今後も事業規模の拡大を目指すところにある。今後は、現地法人とも連携して欧米アジアなど海外展開も積極化していく方針だ。
バンダイネットワークスに対する上場前の評価について、外国証券の新規公開担当のアナリストは「現在のような極端に冷え切った市場環境が上場日の12月12日まで続いているとすれば、ITミニバブル相場の余熱が続いていた10月上場に新規公開したカカクコムやイーアクセスのような異常ともいえるような買い人気は望み薄だ。しかし、19日にブックビルディングの仮条件が41〜47万円と決定したため、公募価格(12月初に決定の見通し)は上限の47万円となるだろう。もし、50万円台程度の冷静な水準で初値付くようなことになれば、同業他社比較でも、PER面でかなり割安状態となり、投資対象とすれば中長期に判断してかなり有望といえそうだ」としている。
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