半導体用のパッケージを設計する米Tessera TechnologiesがIPO(株式公開)を行ったが、初日だけで株価は38%も急上昇した。
Tesseraの株価は、13日(米国時間)午前には18ドル前後で取引されていた。公開当初の株価は13ドルで、1株9〜11ドルという予想を上回るものだった。
Tesseraは、フレキシブルで高性能な半導体パッケージの設計を専門としている。半導体パッケージとは、チップを覆ってマザーボードに接続する、プラスチックや金属製のカバーのことだ。同社は主に、ライセンス料やロイヤルティ、技術料、和解金などから収入を得ている。
Tesseraのメモリチップパッケージ技術は、大手チップメーカー数社に採用されている。たとえば米Intelは、チップを4基搭載できる次期フラッシュメモリパッケージに、Tesseraの技術のライセンスを取得した。米Rambusによる設計をベースにしたメモリは、Tessera型パッケージで提供されている。またおそらく、次期DDR 2標準ベースのメモリも、Tesseraのパッケージで提供される可能性が高い。
また同社は、米Texas Instrumentsやシャープなど大企業数社を相手取った訴訟も起こしている。同社が韓国のSamsung Electronicsを訴えた訴訟は、2004年11月から裁判が始まると見られている。従業員する84人の同社は、現在までに合わせて1900万ドル以上の和解金を手にしている。
情報筋によると、同社はさらに法的な行動を起こす可能性が高いという。同社は現在、44社にライセンスを供与しているが、IPOの書類には次のように記されている。「半導体サプライチェーン中で、100社以上の企業が、我が社の技術を統合した・・・素材や設備、アセンブリ施設に投資している」。つまり、少なくとも56社以上が、同社の特許権を侵害している可能性があると、Tesseraでは考えているということになる。
パッケージ設計は、チップ分野ではいつも目立たぬ存在だが、携帯電話などの機器の小型化・強力化にともない、重要性がますます高まっている。米Semico Researchによると、パッケージ業界の市場規模は現在70億ドルだが、2007年には120億ドルに成長する見込みで、この成長率はチップ業界全体よりも高いという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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