日本IBM、エクサ、ティージー情報ネットワーク、日進ソフトウエアの4社は、グリッドコンピューティングのオープン標準であるOpen Grid Service Archtecture(OGSA)を利用し、Webサービスで連携可能なアプリケーションを構築する実証実験を成功させた。4社が11月12日に明らかにしたもの。「OGSA準拠のWebサービスシステムの構築実験に成功したのは、これが業界初の事例」(4社)という。
グリッドコンピューティングは、分散したコンピュータ資源を仮想化/集約し、ネットワークを介して利用する技術。グリッド関連の国際標準化団体であるGlobal Grid Forum(GGF)では、グリッド技術をビジネス分野に応用する目的で、各種ITリソースをWebサービスのようにサービス化するOGSA仕様を推進している。「今回商用サービスに向けた実験に成功したことで、インターネットでのビジネスグリッド技術応用の可能性が広がる」(4社)
4社の実証実験では、Webサービスとグリッド技術を組み合わせ、複数の医療機関のインフラを仮想化した仮想医療機関をインターネット上に設立し、カルテを横断的に検索できるシステムを実験的に開発した。企業間に設置された実データベースをファイアウォールを越えた仮想データベースとして構築したことで、「Eビジネスオンデマンドの第2段階への道が大きく開けた」(4社)。
実験システムはOGSAに準拠のGlobus Toolkit 3.0を使用しているため、認証やセキュリティ、サービスのライフタイム(生存期間)などを業界標準技術で実現できた。また同システムは、Webサービスだけを利用したシステムと異なり、サービスの状態管理が可能なためユーザー別にきめ細かいサービスを提供できるという。
なおこの実験システムは、11月25日に東京コンファレンスセンター品川で開催される、IBMオンデマンド・テクノロジー・フォーラム2003で公開する予定。
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