日本電信電話(NTT)は11日、2003年度中間期連結決算を発表した。NTTドコモが好調なこともあり、グループ全体としての今期の営業収益は前年同期比0.8%増の5兆4124億円、営業利益が同1.6%増の8366億円、純利益が前年同期332億円から今期は3836億円となっている。
グループ全体では増収増益となったわけだが、固定音声通信の減収については「まだ下げ止まっておらず、これをIP関連でカバーした形だ」と同社代表取締役社長の和田紀夫氏。今後も固定音声通信の減収は続くとしており、この部分をカバーする収益源として、IP関連事業やDSL、光ファイバーなどのブロードバンドの顧客獲得などに力を入れていくとした。
主要なグループ会社の中間決算は、NTT東日本の営業収益が前年同期比581億円減の1兆1137億円、経常利益が同246億円増の740億円、純利益が同105億円増の401億円。NTT西日本の営業収益が前年同期比425億円減の1兆609億円、経常利益が同285億円増の396億円、純利益が同123億円増の264億円。NTTコミュニケーションズの営業収益が前年同期比404億円減の5352億円、経常利益が同47億円減の681億円、純利益が同232億円増の109億円となっている。
新会社設立も発表
NTT代表取締役社長、和田紀夫氏 | |
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NTTでは決算の発表と当時に、同グループ会社でポータル事業を行うエヌ・ティ・ティ エックス(NTT-X)と、ブロードバンドのソリューションプロバイダであるエヌ・ティ・ティ・ブロードバンドイニシアティブ(NTT-BB)の2社を統合、新会社を設立すると発表した。新会社の名称は、エヌ・ティ・ティ レゾナント。NTTの100%子会社として今年12月に設立され、代表取締役社長には現在NTT顧問の武内道夫氏が就任する。
新会社の事業内容は、「ブロードバンドポータル事業」、「映像コミュニケーションサービス」、および「企業・コミュニティ等との連携による先導的ビジネスモデルの開拓」の3つ。ブロードバンドポータル事業では、従来NTT-Xが運営していたgooをNTTグループの総合的なブロードバンドポータルと位置づけ、グループ各社のサイトと連携したサービスを実現する。ポータル内にはエージェント機能や検索機能を追加し、コミュニケーションサービスと連動した利便性の高いサービスを提供するという。
映像コミュニケーションサービスでは、ブロードバンドポータルと連動したコミュニケーションサービスや、モバイルとの融合サービスを提供する。さらに、ポータル事業と映像コミュニケーションサービスをベースとしたコラボレーションワークや、Eラーニングなどのアプリケーションパッケージの開発、また各市場における新たなビジネスモデルを開拓するという。
gooの機能拡充や各サイトとの連携強化については、早期に行う予定。いっぽう映像コミュニケーションサービスについては、2004年下期をめどに大都市圏から順次サービスを開始する予定だが、gooとの連携サービスなどは、準備が整い次第積極的に展開するとしている。また来春には3Gモバイルと固定系IP端末との連携サービスなどを計画しており、ブロードバンドで、「いつでも」「どこでも」コミュニケーションできる基本的なユビキタス環境を実現するとしている。
NTTグループ各社は、新会社のサービスを顧客のニーズに合わせてパッケージ化し、市場に見合った利用しやすい料金で提供する予定。
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