デジタルコンテンツに行き詰まり--望まれるコピー防止技術の標準化

 Travis Kalanickは、新たに登場しつつある合法的なオンライン音楽配信サービス業界に関して、1つの問題を抱えている。

 ピア・ツー・ピア(PtoP)コンテンツ配信サービス企業、米Red Swooshの社長であるKalanickは、米Roxioが先週開始した新生Napsterの音楽ダウンロードサービスに当然興味を抱いた。問題は、そのNapsterがMicrosoftの技術を利用していて、彼のiPodでは動作しないという点だ。米Apple Computerが開発したiPodは、いま最も売れ行きのいい携帯型音楽プレーヤーであるにもかかわらず、である。

 「それこそユーザーたちが嫌う点だ」とKalanikは指摘する。「合法サービスの標準が確立し、各サービスが互換性を持つようになり、所有する機器の種類に関係なく全ての音楽が聴けるようになるまで、ユーザーたちはそれを可能にするサービスに頼ることになるだろう。ただし、それらは全て違法サービスだ」(Kalanik)。

 音楽ファイルからMicrosoft Wordで作成された文書ファイルに至るまで、全てのファイルにデジタル著作権管理(DRM)と呼ばれる互換性のないコピー防止技術が適用されているが、これらの仕組みを機能させる共通のルールがないため、標準に関して革命的な変化を望む声が一段と高まっている。

 各企業はDRMを、自社独自の技術に顧客をくぎ付けにするための強力なツールに変えることができ、それがいとも簡単にできる点が問題だと批評家たちは指摘する。例えば、Appleの音楽配信サービスiTunes Music Storeで購入した音楽ファイルを同社のiPod以外の携帯型音楽プレーヤーで聞くことはできない。

 さらに視野を広げると、Microsoftの新Officeソフトウェアスイートには電子メールやWordファイルの無断配布を防止する機能が付いており、他のアプリケーションではロックされたファイルを読み込めない可能性があるため、ビジネス界全体がOfficeソフトを使用せざるを得なくなるとの懸念もある。セキュリティの専門家たちで構成される委員会が最近発表したレポートでは、Microsoft OfficeやWindowsにユーザーたちを縛りつけるコンテンツ保護機能の使用は、損害発生につながるセキュリティリスクを発生させる可能性があると指摘し、このような傾向に対し警鐘を鳴らしている。

 実際、Microsoftがコピー防止技術に関してさまざま分野で台頭していることに、同社に批判的な人々は懸念を抱いている。ウェブブラウザや電子メールについては、互いに安全な通信が可能なソフトを複数の企業が開発できるが、批判者たちは、それと同様に、コンテンツのコピー防止技術についても、複数の企業が標準技術の開発/製造を行えるよう、業界全体の合意を確立することを求めている。

 Moving Picture Experts Group(MPEG)の創設者、Leonardo Chiariglioneは「ユーザーが、異なるDRMシステムへの対処に悩まされることなく、コンテンツを利用できない限り、DRMは普及しないだろう」と述べ、さらに「さもなければ、何も動かないデジタル・メディアの膠着状態を招くだけだ」と語った。Chiariglioneは最近、コンテンツ保護問題に特化した新しい国際団体を設立している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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