米連邦取引委員会(FTC)のTim Muris委員長は30日(米国時間)、正当性が曖昧な特許によって、技術革新が失速し、競争が抑制される可能性があると警告し、特許異議申立ての新たな手続きを提案した。
同委員長は、現在特許異議申立ての際に要求されている"明確かつ説得力のある"証拠の提示はあまりにハードルが高すぎると指摘した。「FTCは、この要求事項があるために、裁判所は問題ある特許を排除しにくくなっていると考えており、代わりに裁判所が"証拠の優越"に基づいて(特許の)正当性の判断を行えるようにすることを提案する」(Muris)。
Muris委員長は、ワシントンで開かれた米国知的財産権法協会(AIPLA)の年次会議の中で、FTCが今週発表した報告書について語った。FTCはその報告書の中で、米国特許システムの改革を提案している。同報告書は、米国の特許システムは大方正常に機能しているとしながらも、特許の質の悪さ、曖昧な法的基準、さらに(特許権者から)提訴される恐れが生じて初めて特許異議申立てが可能となる現在のシステムを問題視している。
今回FTCが報告書を発表した背景には、今年8月、連邦裁判所の陪審団がMicrosoftに対し、ウェブブラウザが自動的に追加プログラムをロードできるようにするソフトの特許権保有者に5億2100万ドル支払うよう命じる判決を下したのをきっかけに、ハイテク企業の間で米国の特許システムの不明確さを指摘する声が高まっているという事情がある。W3C(World Wide Web Consortium)は28日、米特許商標局(USPTO)に対し、その特許を無効にするよう要請した。
特許の中でも特にソフトウェア特許は、範囲が広すぎる上に、オープンソース/フリーソフト運動に悪影響を及ぼしがちとの理由で批判を浴びてきた。米国ではソフトウェア特許は有効であり、欧州議会も先月、ソフトウェア特許法案を可決した。ただし同法案には修正条項が付されており、今後特許の範囲が制限される可能性がある。
今回のFTCの報告書は、300人以上のパネリストが参加し、24日間に及んだ公聴会の結果をまとめたものだ。同報告書の提案内容は以下の通り。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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